お笑いタレントあばれる君(34)の子ども人気がすごいという。先日、弊紙インタビュー企画「日曜日のヒーロー」に登場していただくために、話を聞いた。

インタビューに行く前、上司から「息子があばれる君の大ファンなんだよね」と報告を受けており、インタビュー開始前の雑談で、あばれる君にその話を伝えた。

聞けば、上司の息子は小学校低学年で、あばれる君が大活躍するTBS系「アイ・アム・冒険少年」(月曜午後7時)を毎回録画して視聴しているという。あばれる君は「ありがとうございます。うれしいですね」と喜んでいたが、インタビューが始まり、記者もすっかりそのことを忘れていた。

1時間ほど盛り上がったインタビューの後、別室で写真撮影があった。あばれる君はカメラマンの要望に応えていくつものポーズをとった後、おもむろに記者の目の前に現れ「ちょっとその子に何かあげたいですね」とひと言放った。急に言われた「その子」が誰か分からず、キョトンとしてしまったが、それを察してか、あばれる君は「上司の方の息子さんですよ」。

取材部屋に2人で戻ると、あばれる君は、その場にあった紙にペンでサインを書き始めた。「お名前何でしたっけ?」と問いかけられた記者はすかさず上司に電話。名前を伝えると「○君へ いつも応援ありがとう」と記してプレゼントしてくれた。通常、はんこを押して完成だそうだが、この日はもっていなかった。そのことを残念がっていたのが印象深かった。

「アイ・アム・冒険少年」の関係者に聞くと、あばれる君の子ども人気は、番組制作の理念ともマッチしているという。「子どもにわかりやすくっていうのはコンセプトとしてある。あばれる君は本当に子ども人気がすごい。エースですよ」。無人島からの脱出、3月に購入した「あばれる山」でのプロジェクト計画。もはやあばれる君なしでは成り立たない。

本人は「熱いときは熱い、痛いときは痛い、悲しいときは泣く。そういうのは意識しています。ただ、子どもにウケるようにっていうのは考えていなくて、大人でも誰でも笑わせにいっています」と特に子どもを意識しているわけではないという。

インタビュー前の雑談レベルの会話を覚えていて、小さなファンも大切にする姿勢。そんなあばれる君の実直さが画面を通じて子どもたちに響いているのかもしれない。【佐藤成】