女優島田陽子(68)が8日、都内で開催されているイベント「角川映画祭」の一環として行われた映画「犬神家の一族」4Kデジタル修復版の上映トークショーに出席した。

1976年公開の市川崑監督による横溝正史氏原作映画で、島田はヒロイン野々宮珠世を演じた。満員の会場を見て「いまだに、こんなにたくさんの人に見てもらうのは光栄ですね。『犬神家-』が一番好きな作品です」と笑顔を見せた。

旧家の一族の間で、次々と起こる殺人事件。「自分でやっている時は分からなかったけど、今思うと難しい役でした。そこにいるだけで、何かを醸し出さなきゃいけなかった」と振り返った。

市川監督からは「バカヤロー」と、よく怒られたという。「愛のあるバカヤローで、こうやるんだと教えてくれました」。そして、チャームポイントであるえくぼを「君は、そのえくぼが残念だな」と言われたと明かした。「『チャームポイントだけど、芝居をやるのに邪魔に思える』と言われました」と話した。

数々の俳優が演じた横溝氏作品の探偵・金田一耕助だが、島田は市川監督作品での石坂浩二(80)が一番好きだと明かした。「市川監督のテイストが、石坂さんにマッチしてたんだと思います」と話した。

自身にとっての「犬神家ー」について「ヒロインの映画は何作もやっているんですが、なかなか私の持っているものを引き出してもらえなかった。市川さんが撮ってくださった時は、私の奥の精神性みたいなものを引っ張ってくれた。それが、市川監督の魔法だと思う。私のヒロインとして象徴的な作品。だから、今でも愛されるんだと思う。この作品は、ずっと受け継がれると思う。女優として幸せ」と話した。