作曲家の金子隆博氏(57)が18日、NHK情報番組「あさイチ」のプレミアムトークに出演した。金子氏は同局の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の音楽を担当している。

放送で、ドラマで突然トランペットが吹けなくなったジョー(オダギリジョー)について語った。金子氏は42歳の時、米米CLUBでサックスを担当していたが、突然吹けなくなってしまったという。「ジストニア」という病気だった。

「突然、楽器が吹けなくなってしまうってこともこの世にはあって、けっして架空の話ではないんです。(ジョーの当時の)1962年は原因がわかんなかった。僕も実際、その病気になっちゃったのは42歳の時で、『ジストニア』という言葉にたどりつくまで4年くらいかかりました」

病気の症状についても説明した。

「(サックスを)口にくわえると首がこう、勝手に動いてしまう。吹くまでいかない。くわえられない。それしか説明のしようがないんですけど」

ジョーは大阪のジャズトランペットコンテストで優勝。上京しデビューの準備をしていたところ、突然トランペットが吹けなくなり、デビューを断念。大阪に戻った。その後、るい(深津絵里)と結婚。1983年現在、2児の父親だが定職には就いていない。

金子氏は「今、何もしていない、仕事をしていないジョーのことを責めないでください。むしゃくしゃして、るいにあたったりもありましたけど、僕もその気持ちはわかります」と話した。

金子氏は、サックスが吹けなくなった後、ピアノを猛練習。現在はピアニスト、作曲家として活躍している。

ドラマの中で、るいと京都に移ったジョーが手帳を広げ五線譜を引き、作曲らしいことをしているシーンがあった。果たしてジョーは再び音楽にかかわっていくのか。視聴者も気になっているところだが、まだそのシーンは回収されていない。

「あさイチ」ではドラマの中で重要な位置付けの名曲「On the Sunny Side of the Street」を生演奏。「カムカム」ファンを喜ばせた。

◆金子隆博(かねこ・たかひろ)1964年(昭39)3月22日、千葉県生まれ。84年にホーンセクション「ストリートファイターズ」(現BIG HORNS BEE)を結成し、米米CLUBに参加。ソロでは石井竜也、一青窈、渡辺美里、大塚愛、柴咲コウ、スガシカオらの楽曲の演奏、アレンジ、作曲を手掛ける。妻はカールスモーキー石井の妹で、米米CLUBのメンバーMINAKO。