第10回市川森一脚本賞の受賞者が、NHKの連続ドラマ「きれいのくに」(21年4月から放送)を書いた加藤拓也氏(28)に決まり1日、都内で喜びを語った。

同賞では初の20代の受賞者となった加藤氏は「ありがたく思っております。演劇がメインで、ドラマと映画の仕事もしています。劇団の作品をどう映像に反映できるか、行ったり来たりしています」と話した。

加藤氏は東大阪市の出身。高校在学中からラジオ番組、演劇などの演出を手掛け、18歳でイタリアに渡り映像作家として活動。帰国後は、東京でホームレス生活を送ったこともあったが、演劇人が多く集まるシェアハウスに転がり込み、劇団を立ち上げた。

18年3月にフジテレビで放送されたドラマ「平成物語」が第7回市川森一賞の候補作、19年4月に放送された日本テレビ系「俺のスカート、どこ行った?」が第8回の候補作となり、今回の受賞となった。

「きれいのくに」は、容姿へのコンプレックスをテーマに、ほとんどの大人が同じ顔をした国の物語で、男は稲垣吾郎、女は加藤ローサの顔になっていた。同作のプロデューサーは「彼の演劇が好きで見ていました。すごい作家性をもっている」と称賛した。