NHK前田晃伸会長の定例会見が3日、東京・渋谷の同局で行われた。先月10日に社内調査の結果を発表したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」の字幕問題について、改めて謝罪した。

調査結果の公表を受け、前田会長は「極めてずさんな対応が改めて明らかになり、本当に申し訳なく思っております。担当者はそれぞれに与えられた役割や責任を十分果たさず、製作段階で真実に迫ろうとする姿勢を求めるとした放送ガイドラインから明確に逸脱していた」。また「番組にご協力いただいた東京五輪公式記録映画の関係者の方々や反対デモに参加した方など、番組で取り上げさせていただいた方々、そして視聴者の方に重ねて深くおわびをいたします」と謝罪した。

同局は、昨年12月放送の同番組において、ある男性が五輪反対デモに金をもらい動員されたと裏付けのないまま字幕を付けて放送した。男性への聞き取りではデモに参加した事実確認がとれず、これまで字幕を「不確かな内容」としてきたが、先月10日の会見で「字幕の内容は誤りだったと判断した」と調査結果を報告していた。