昨年4月に死去した脚本家橋田寿賀子さんが理事長を務めた橋田文化財団主催の「第30回橋田賞」授賞式が10日、都内で行われ、東山紀之(55)ら受賞者が出席した。

同賞は新型コロナウイルスの影響で20年から授賞式を見送っており、3年ぶりに行われた。東山は、テレビ朝日系主演ドラマ「刑事7人」への出演や同局情報番組「サンデーLIVE!!」でMCなど、長年にわたる活躍が評価されての受賞となった。橋田作品は91年のTBS時代劇「源氏物語」、94年の舞台「御いのち」に出演。橋田さんが亡くなってから初めての開催となり、タキシード姿でマイクの前に立つと「橋田先生には、さまざまな出会いをつくっていただいた。今日はお会いできなくて本当に残念です」としのんだ。

橋田さん作「源氏物語」の思い出も語り「脚本を初めて読んだ時に、これはやばいなと。あまりの長ぜりふに逃げ出そうと旅先まで考えました」と振り返って苦笑い。続けて「逃げたら橋田先生、(プロデューサーの)石井ふく子先生、(ジャニーズ事務所の)メリー(喜多川)さんにこっぴどく怒られるなと。その恐怖に耐えることができず、とどまった次第であります。あの時逃げ出さなかったことが、今ここに立てている証し」と、ジョークを交えて喜びを語った。最後は「今後もさまざまなことがあると思いますが、逃げ出さずに頑張っていきたいと思います。ありがとうございます」と感謝で締めくくった。

橋田賞は、日本人の心や、人と人とのふれあいを温かく取り上げてきた番組や人に贈られる賞。今年は来場者をメディアに限定し、授賞式を開催した。