俳優萩原聖人(50)が30日、都内で行われた主演映画「島守の塔」(五十嵐匠監督、7月22日公開)の完成披露舞台あいさつに出席した。ダブル主演の村上淳(48)や共演の吉岡里帆(29)香川京子(90)らと登場した。

冒頭、深々とお辞儀してあいさつした。「外はとても暑いのですが、映画の舞台も沖縄で、暑苦しい画が続くと思いますので、心の熱中症にならないように気をつけてください」と伝え、拍手を浴びた。村上も「心の熱中症、いい言葉ですね」とうなずいた。

20年に撮影予定だったが、コロナ禍でいったん中止となり、1年8カ月後にあらためて撮影された。五十嵐監督は「キャスト、スタッフの思いのおかげでここまで来た。感謝しています。奇跡的な映画だと思います」と感慨を込めた。萩原も「監督のおっしゃる通り、奇跡に近いと思います。1年8カ月ぶりに現場に行った時も、顔触れが変わらず、この映画が生きているというのを感じました」と振り返った。

映画では第2次世界大戦末期、長期の地上戦が決行された沖縄を舞台に、県民の命を必死に守る戦場の知事と1人の警察部長、沖縄の人々を描く。萩原は「1年8カ月の中断を経て今日この日を迎えるまでの間に、世の中でいろんなことが起こって、悲しいこともたくさんあったと思います」と神妙な表情。その上で「ただこの作品は、いろんなものに負けずに完成した作品です。戦争の話なので重たいような内容かもしれませんが、命があふれていると思います。楽しんでくださいとは言えないですけど、心して見ていただければと思います」と呼び掛けた。