歌舞伎俳優中村獅童(49)とバーチャルシンガー初音ミクがコラボする「超歌舞伎2022」東京公演が21日、新橋演舞場で開幕した。

「ニコニコ超会議」内のイベントとして16年に誕生した「超歌舞伎」が、いよいよ新橋演舞場に進出した。初日に先立ち行われた取材会で獅童は「胸がいっぱい。サブカル好きな若者たちに喜んでいただくと同時に、昔から歌舞伎を見ている古典好きなお客さまにも納得していただけるか、日々戦いです」と意気込みを語った。

ペンライトを通じて、客席と舞台が一体化するのが「超歌舞伎」の醍醐味(だいごみ)とあって、会見では「ペンライトご持参の方が絶対楽しい。ペンライト命」と、ペンライト推しのトークを展開した。

博多座、御園座(名古屋)の公演では、初音ミクのファンと歌舞伎ファンの融合に感激したという。「初音ミクさんのファンはペンライトを振るのが当たり前で、多い人は両手に6本くらい持っている。ペンライトを知らないおばあちゃんに貸してあげてたりして、ミクさんファンと古くからの歌舞伎ファンが交流している光景にグッときた。熱いものがこみあげてきました」。

16年に誕生した「超歌舞伎」も7年目。「最初は歌舞伎と初音ミクさんで何ができるのかと思われた。超会議のお客さまに育てていただいた」と感慨深げ。「伝統を守りつつ、革新を追求する。若いお客さまに振り向いていただくのが僕の使命。来月50なので、やりたいことは率先してやっていかないと」。50歳になる実感について聞かれると「実感はないが、悪いことをして連行される人をニュースで見ると、ものすごい年寄りに見えてショック」と笑わせていた。

東京公演は9月3日まで。9月8日から京都南座で。