唐田えりか(25)が26日、東京・池袋シネマ・ロサで行われた3年ぶりの主演映画「の方へ、流れる」(竹馬靖具監督)初日舞台あいさつに登壇した。20年3月のNHK BSドラマ「金魚姫」出演後、女優業を休業して以来、初の公の場。イベントへの登壇も、2018年(平30)9月17日に都内で行われた映画「寝ても覚めても」(濱口竜介監督)のトークイベント以来となった。客席のファンから「お帰り、復活おめでとう」と声がかかると「はい…ありがとうございます。今日という日を迎えられたことを、本当に感謝しております。映画をご覧になってくださった皆様、楽しんで頂けましたでしょうか?」と涙声であいさつした。

唐田は、オーディションで「の方へ、流れる」の主演に選ばれた。同作は、会社を辞めて姉の雑貨店で店番をする里美と、そこに現れた恋人を待つ智徳が、店を出て東京の街を歩きながら語り合う。「お互いのことを知らないから言えることもある」2人が、互いに話していることが、事実なのか分からないまま、ひかれあっていく物語。唐田は劇中で、思ったことを素直に口にしているようで、どこか本音がつかめない里美を演じた。

唐田はオーディションを受けた経緯について聞かれると「すみません、ちょっと緊張しているのですが」と言って、すぐには言葉が出なかった。客席から「頑張って!!」と声援が飛ぶと「ありがとうございます」と涙声になった。そして、自ら女優休業期間と休業に至った騒動について言及。

「私は、この期間…自分と向き合っていました。自分のダメなところや、弱いところや、自分と向き合っている中で、向き合って下さった皆様がいて、今、こうして、ここにも立てていると思っています。こうして映画を見て下さる方たちがいて、自分は本当に支えて頂いているなと日々、感謝しております」

唐田は休業中に、20年12月19日発売の月刊誌「日本カメラ」(日本カメラ社)2021年1月号から「フィルムカメラ好きの女優がつづる写真エッセー」と題した新連載「mirrar」をスタートも、21年4月20日発売の5月号をもって同誌が休刊。その後は、同年9月のファッションショー「Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 S/S」で発表された短編映画「something in the air」に主演。20年4月には主演映画「血ぃともだち」(押井守監督)が公開予定だったが、コロナ禍で4度の延期を余儀なくされた末、2月に都内で一夜限りの限定上映されたのみ。出演した長編映画の公開は、19年5月の「チア男子!!」以来3年ぶりとなった。

唐田は、復帰の壇上で、芝居への思いも熱く語った。

「自分にとって、お芝居が、いつからか大切なものになっていって、お芝居というものをを通して、大切な方たちに恩返ししたいですし、届けられるものがあると信じて、今もやっています。そういう思いがある中で、オーディションのお話を頂いて、竹馬さんの脚本を読んで、ぜひ参加したい…オーディション…受かってますようにと思って、受けた作品。こうして選んでいただいたことに、本当に感謝しています」

唐田は竹馬靖具監督に、心からの感謝の言葉を口にした。

降壇時には、取材陣から「今のお気持ちは?」「(復帰でき)うれしいですか?」と声をかけられると、一礼して会場を後にした。