シンガー・ソングライター山下達郎(70)がパーソナリティーを務めるTOKYO FM「山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック」(日曜午後2時)の2日放送で、同日夜の達郎の公演後に50年の歴史に幕を閉じる“聖地”東京・中野サンプラザを特集し、別れを惜しんだ。

全国ツアーも開幕直後で番組は前倒し収録だったが、放送がくしくも閉館日に重なり、同所のライブ音源で構成。達郎は中野サンプラザについて「変な設計のホールで、最初は椅子が全部プラスチックだったりして、すごいやりにくいホールだったんですけど、少しずつ改善されて、今はけっこう音が良くなっておりますので、ずっと続けられたという感じであります」と説明した。

同所の公演を43年続けていることも説明し、その理由も明かした。「(報道で)『私が最も愛したホール』とかありますけど、本当の理由を申し上げますと、もっと音の良いホールはあるんですけど、何が43年もできたかと言うと、時間の融通が利いたんです」とコメント。「私、演奏時間が長いので(午後)10時過ぎることも多々ありまして。他のホールだと絶対許されなかったんですけど、中野サンプラザだけはそれができたので、それのおかげで、好き勝手、80年代90年代、長い演奏ができた」と振り返った。続けて「ホールとしては変わったホール」とあらためてつけ加えて、笑った。

番組冒頭では、夜の最終公演について「1973年にオープン致しまして、丸50年ということでございまして、本日がベリーラストデーでございます」と感慨深げに紹介。50年の同所の歴史で達郎が最多公演とされることについては「違うんじゃないかと思いますけどね」としながらも「長いことやっているという意味では私は長いので。43年やっております」と振り返り「サンプラ最後の日を楽しみたい」と意欲を示した。

達郎は音質や距離感の面から、スタジアムやアリーナの大規模会場より中規模ホールでのライブを好むことを公言してきた。なかでも東京出身の達郎にとっていわばホームグラウンドの中野サンプラザは例年、ツアー会場に組み込んできた。昨年6月にTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」に出演した際は、閉館について「なんかね、何でも壊せばいいと思ってる」と心境も明かしていた。

同所は1973年(昭48)6月1日に、「全国勤労青少年会館」として開館。「SUN=太陽」「PLAZA=広場」の愛称で50年間、多数のミュージシャンやそのファンらに親しまれた。