アリスのメンバーでシンガー・ソングライターの谷村新司(本名同じ)さんが8日、亡くなった。74歳だった。16日に、所属事務所が発表した。葬儀は近親者のみで15日に執り行ったという。

谷村さんは1992年11月に加山雄三と連名でシングル「サライ」を発売。日本テレビ系「24時間テレビ『愛は地球を救う』」のテーマソングとして現在まで歌い継がれている。

同局は同年の第15回の放送を記念して制作された。視聴者から集めた愛のメッセージをもとに谷村さんが作詞、加山雄三(筆名である弾厚作名義)が作曲を務め、製作時間は放送時間の24時間以内という企画から生まれた。サライはペルシャ語で「家」などを意味する言葉で、楽曲テーマのひとつである「心のふるさと」とも結びつけている。

子供が同じ夏期講習に通う縁でそれまで“父兄”として交流を深めてきた2人だったが、仕事での共演は初めてだった。レコーディングの際には谷村さんは「若大将の大ファンとして育った僕にとっては身も震えるほどの感激です。発声にも力が入りました」と最敬礼。加山は「谷村さんの歌のうまさはほれぼれする。日本のアンディ・ウィリアムス(谷村)とペリー・コモ(加山)みたいな強力コンビと自負しているよ」と語っていた。

昨年の日本テレビ系「24時間テレビ」で谷村さんはこの年でコンサート活動などを引退すると発表していた加山とともに番組テーマソング「サライ」を熱唱。加山は谷村さんの肩を抱きながら歌いきり「感無量だよ」と万感の思いを語っていた。