ダウンタウン松本人志(60)が文藝春秋などを被告として起こした損害賠償請求等訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で行われた。本人が不在の中、幕を開けた裁判“第1ラウンド”だったが、地裁周辺は“沸騰”。開廷5時間前の午前9時半から、リストバンド型整理券を配布すると、一般傍聴席19席をめぐり691人が列を作った。倍率は、民事裁判では異例の36・37倍だった。

テレビ各局がカメラを回して現地リポートを収録する中、ユーチューバーも10人以上、実況生配信を続けた。報道陣とユーチューバーが入り乱れる中、午前10時10分に整理券の配布が終了すると、潮が引いたように東京地裁前は静かになった。

それが開廷時刻の午後2時半が近づくと、再びヒートアップ。5分程度で閉廷し、429号法廷から双方の代理人弁護士が出てくると、報道各社が後を追いかけて東京地裁脇の歩道を疾走した。

その中、傍聴した落語家の三遊亭はらしょう(46)が報道陣の取材に応じた。実話を取材して新作落語にする“ドキュメンタリー落語”がウリで「(傍聴券が)当たったから、これを落語で伝えられれば、と。落語にしようと思って来た」と断言。取材後には自身のXで「松本人志裁判の傍聴券が当たったので、その模様を落語でやります」と、翌29日に都内で開催するライブで、松本裁判を題材にした新作落語を披露すると明らかにした。

第1回口頭弁論について聞かれると「本当に、あっという間で情報がない。印象的だったのは(松本側が)『A子さん、B子さんが特定できないから認否できません』と言うくらい」と法廷内での双方の駆け引きの一端を紹介した。松本と同じ兵庫県出身で「普通に昔からファン」と口にすると、松本に言いたいことは? と質問が飛んだ。はらしょうは「1度も会ったことはないですけど、いつか復帰していただきたい。地上波でなくても良いんで、松本さんのお笑いをもっとやっていただけたら」と、カメラの向こうの松本に呼びかけるように口にした。