歌手宇多田ヒカル(41)が、有働由美子(55)MCの日本テレビ系新音楽番組「with MUSIC」(土曜午後7時56分)レギュラー初回放送に出演し、デビュー当時を回想する中で「藤圭子の娘」と、母で歌手の藤圭子さんに触れる一幕があった。

歌手生活25周年を迎えた宇多田は、自ら作詞作曲し98年にリリースしたデビュー曲「Automatic」について有働から「今回、12回ぐらい連続で聞いた」と言われ「え~、ありがとうございます」と照れ笑い。「ずっと聞いてられるな、って。それもすごいことなんですけど、15歳の時のデビュー曲ですよね」と確認された。さらに「すごいって、25年たってあらためて思いませんか、15歳のアーティストが作った曲」と感心されたが、宇多田は「作ったことがすごいとか、歌がすごいとは思わないんですけど、それが実現できたことはすごいなって。日々、思うんですけど」と冷静に語った。

その後、デビュー時を回想。「だって放課後、制服のままスタジオに行ったら、そこで私を見かけた東芝EMIでプロデューサーやっていた三宅(彰)さんって方が『あの子、誰?』みたいな。軽く聞いたら『え?そうなの?藤圭子の娘なの?」みたいなことで」と母の名前をあげた。

続けて「(三宅氏が)『歌わないの?』って周りに聞いたら『実はもう曲作って歌っているらしい』って。その前に英語で1枚作ってたんです、アルバム。そういうことを聞いて『じゃあ、日本語でやってみない?』って持ちかけてもらったんで。そこから、私がやりたい、と思うビジョンがあることはそのままやらせてくれて、まだできないことは周りの大人たちがサポートというか、私ができないことをやってくれて、あれができた、というのがすごいな。信じてもらえたのかな、と」と、デビューを支えた周囲に感謝した。

宇多田は音楽プロデューサー宇多田照実氏と藤さんの間に誕生。藤さんは69年のデビュー曲「新宿の女」で一躍有名になると「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」などのヒット曲を世に送り出した。13年に62歳で亡くなった。

宇多田は25周年の節目で今月、2枚組の初ベストアルバム「SCIENCE FICTION」をリリース。デビュー曲「Automatic(2024 Mix)」や、代表曲「First Love(2022Mix)」、フジテレビ月9ドラマ「君が心をくれたから」主題歌「何色でもない花」などが収録されている。