225万部のベストセラー「ホームレス中学生」を書いたお笑いコンビ、麒麟の田村裕(29)の兄研一さん(34)が「ホームレス大学生」(ワニブックス)を出版することが25日、分かった。10月10日に発売する。父親から「解散宣言」された15年前、田村とは別の公園で生活していた研一さんはどんな暮らしをしていたのか、兄として弟や妹を見る目線も書かれている。

 研一さんの公園生活は大学1年の時。田村が「まきふん公園」にいたころ、研一さんは「たこ公園」にいた。弟は子供たちに「ウンコの神様」と呼ばれ、兄は「オバケ」と呼ばれていた-など、もう1つのストーリーがある。また、研一さんは「お母さんが亡くなった時の病室での視点は、小5の弟と高1の僕とでは違っていたりするので、弟の本を読んだ人はおもしろく読めると思います」と話す。「-中学生」ヒット後の、父親との再会場面や、少し大人の視点で書かれた家族再生のエピソードは「-大学生」ならではだ。

 現在、問屋スーパーでレジ打ちの仕事をしており、寝る時間を削って2カ月で書き上げた。母が亡くなったくだりを書く時には、涙が出て作業を中断せざるをえなかったが、初の執筆は楽しかったという。映画化やドラマ化は「なったらうれしいけど、すべったら弟に迷惑が掛かるので、初版3万部がさばけて、出版社にも迷惑が掛からなければ」と控えめ。出版社関係者は「ヒットの目安、5万部は期待しています」と話している。