今週、「ジジイがLINEを始めました!」と緊急連絡してきたのは、競馬愛好家の空手家T氏(63)。ここ数年、音信不通だったギャンブル仲間の最長老、通称Yジジイ(76)の足跡を発見、興奮が隠せない様子。「とにかく生存が確認できて安心しました。ジジイが死ぬ前にもう1度麻雀を打ちたいので、また探索隊を組みましょう」。
勝手に殺されちゃたまらないが、T氏が心底心配するYジジイは仲間内で「負け組の星」と呼ばれる人気者。9日に29歳で死んだハルウララほどじゃないが、昭和流の敗者の美学でギャンブル仲間を魅了してきた。「自慢じゃないが、馬券、車券、舟券で年間プラスだったことは1度もない。600万円以上溶かした年もあった。ギャンブルは胴元が勝つようにできている。でも俺的にはばら色の人生」が口癖で、確かに比類なき馬券下手、麻雀も悲しいほど弱かった。
後期高齢、無年金、老後破産状態の中、今も姿をくらましているYジジイだが、仲間が心配して何度も探索隊を組むほど人間的魅力にあふれているのも事実。私が数年前、真夏の工事現場で最後に会った際は、「(警備)隊長にされちゃって参ったよ。まあ、俺みたいなのが生活保護に頼っちゃ罰が当たるから、働けるだけ働くよ」と負け組の気概を示していた。
そんなジジイの数少ない武勇伝が94年のセントライト記念。場外で馬券を買い、某レース場の記者席でテレビ観戦していたジジイが突如「ヨシトミ!」と叫び、万歳三唱。柴田善騎乗の8番人気ラグビーカイザー(2着)を軸に馬連で60万円超の払戻金を手に。翌日、記者席で仲間を並べ、全員に1万円のご祝儀を配る誇らしい姿が忘れられない。数日後には記者仲間に借金をしていたが…。
今週はセントライト記念。Yジジイも日本のどこかで馬券を握りしめ、一獲千金を夢見ているに違いない。ジジイは昭和の穴党ロマン派だから、狙い目はいぶし銀・横山典のヤマニンブークリエあたりか。ちなみにYジジイのLINEにメッセージを送ったが、既読も返信なし。ひと山当てるまでは身を隠す-。これも「負け組の星」の美学か!?




