兵庫から参戦した昨年のNAR年度代表馬イグナイター(牡5)が、ゴール前の接戦を首差で制した。ダートグレード競走3勝目で重賞タイトルは6つ目。笹川翼騎手(28)、新子雅司調教師(45)ともさきたま杯は初制覇となった。1番人気シャマルは右後肢ハ行で競走を中止。スタートは出たが、向正面ではすでに大きく離れた最後方。ゴール手前で川田騎手が下馬した。

7番人気に甘んじたものの、その実力はだてではない。道中は好位のインで展開。4角を回って前2頭の間から加速すると、最後は粘るスマイルウィを捉えきった。殊勲の笹川騎手は前走に続いて2度目のコンビ。「4角を向く前の手応えが良かった。自分が焦らず馬のリズムを守れれば、最後まで一生懸命走ってくれる感覚がありました」と振り返り、「日頃からの、園田の関係者の皆さんのおかげです」と人馬に感謝した。新子師は「枠も良かったし、なんとかなるんじゃないかと。ジョッキーが理想のレースをしてくれました。(馬は)今年もまだまだ頑張れる」。今後は夏休みを挟み、南部杯、JBCを狙っての始動となる。【渡辺嘉朗】

◆イグナイター ▽父 エスポワールシチー▽母 ビアンコ(ウォーニング)▽牡5▽馬主 野田善己▽調教師 新子雅司(園田)▽生産者 春木ファーム(北海道日高町)▽戦績 22戦10勝(うち中央3戦1勝)▽総収得賞金 1億7954万円(うち中央700万円)▽主な勝ち鞍 21年楠賞、22年黒潮スプリンターズC、黒船賞(Jpn3)、かきつばた記念(Jpn3)、23年黒潮スプリンターズC▽馬名の由来 点火薬

●勝負服

<スマイルウィ=2着>矢野騎手 うまく運べたけど、この馬の難しさが出ましたね。負けた相手が相手だけに悔しい感じはしますが、よく走っていると思います。

<バスラットレオン=3着>坂井騎手 ゲートでつまずくのは許容範囲。スピードタイプが多かったので、もう少し内枠だったらというのもありますが、初めての小回りに戸惑いもありました。

<アポロビビ=4着>御神本騎手 ここにきて状態が上がっている。4コーナーぐらいまでいい感じ。頑張って走っている。

<コンシリエーレ=5着>ルメール騎手 1、2コーナーはよかったけど、向正面で外にもたれだした。跳びが大きく、小さな競馬場にも慣れていない。

<ビヨンドボーダーズ=6着>山林堂騎手 流れが速い方がいいですね。自分のリズムを崩さないで競馬できれば力を出せる。

<エアアルマス=7着>森泰騎手 キックバックがだめですね。力はあるんだけど…。

<ギシギシ=8着>的場文騎手 3コーナーでいっぱいになった。スピードはあったけどね。

<テイエムサウスダン=9着>岩田康騎手 スタートも全然行けない状態。脚は使っているんだけど、気持ちが切れている。