2月4日と5日、北海道の牧場で開催される種牡馬展示会に行ってきました。北海道へ行くのは、小学6年生で行われたレスリングの全国大会以来。当時は夏でしたが、今回は真冬、しかも大寒波襲来のタイミングでもあり、寒さへ相当の覚悟をして、3日の夜に出発しました。

到着し、現地の方がおっしゃった「そこまで寒くないよ」という言葉通り、寒さは許容範囲でした。

4日は社台スタリオンステーションで、新種牡馬ドウデュースや、キタサンブラックとイクイノックス親子など、30頭を見てきました。

その中で、コントレイルは今年が初年度産駒デビュー。父ディープインパクトとの無敗での親子3冠制覇や、感動のラストランは鮮明に覚えています。

まだ23歳の記者が言うことではないのかも知れませんが、「もうそんな年になるのか」と考えてしまいました。

これから競馬担当、競馬ファンとして年月を重ねる度に、そんなことを思い続けるのだろうなと感じながら、社台SS取材を終了。

翌日はブリーダーズ・スタリオンステーションへ。ひっそり楽しみにしていたのが、現役時代に応援していたキセキを見ることでした。ファンが多かったキセキも今年から産駒がデビューします。

3歳時は、あのドロドロ馬場で行われた菊花賞を勝利。ただ、そこからは善戦が続き、さらには父ルーラーシップをほうふつとさせる出遅れや気性の難しさもあり、勝利を挙げられませんでした。

でも、大逃げや大まくりといったレースぶりからは、人気がなくなってもその名の通り“奇跡”を起こしてくれるのでは、という魅力があり、ファンに愛される“個性派”の馬だったと思います。

そんなキセキ、展示会では元気な歩様を見せていました。なんだかうれしくなっていましたが、それもつかの間、担当の方からキセキの紹介で耳を疑うフレーズが…。

「キセキの産駒はとても素直です」。

あれ…。「キセキの子どもなら、普段からうるさい馬なのでは?」「レースではあんなに破天荒ぶりを見せていたのに…」とかなり驚きました。

いや、記者が幼少期や普段のキセキのことを深く知らないだけかもしれないと思い、生産者である下河辺牧場の下河辺隆行さんに同馬のお話を伺いました。

すると、「キセキは手のかからない馬でしたよ、すごく従順で、おとなしい方でした。確かにレースではいろんなことがありましたけどね。病気もなくて体も丈夫。だから長く現役を続けられたと思います」と“意外”な部分を教えていただきました。

そして、産駒たちも「子どもたちもすごく素直でおとなしい子たちばかり。育成場ではウチがキセキ産駒の数が1番多いと思います。父に似て脚長で、体も丈夫そうですよ」と父の特徴を受け継いでいるようです。

となると、当然期待は大きく、「ファンも多かったですからね。ウチ(下河辺牧場)の未来がかかっていると言っても過言ではないですよ」と種牡馬としてのキセキを楽しみにしていました。

早ければ6月から、キセキ産駒の走りが見られます。

父の“軌跡”をたどり、個性派やレースでは破天荒ぶりを発揮するというタイプなのか。

それとも父以上の活躍を見せてくれるのか、産駒たちがどんな“奇跡”を作ってくれるのか、楽しみに見届けたいと思います。【深田雄智】