マイル王者の真価を発揮した。2番人気ジャンタルマンタル(牡4、高野)が好位から抜け出して完勝。23年朝日杯FS、24年NHKマイルCに続く3年連続マイルG1制覇を遂げた。勝ち時計は1分32秒7。13着に敗れた昨年12月の香港マイル以来、半年ぶりのレースで鮮やかに巻き返した。川田将雅騎手(39)は今年のJRA・G1初勝利で、安田記念は歴代勝利数単独トップの4勝目となった。

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余力十分にゴール板を駆け抜けたジャンタルマンタルの馬上で、川田騎手が珍しくガッツポーズを繰り出した。スタンドを指さしたあと、拳を小さく握りしめて歓喜を表現。「体のメンテナンスで僕を長年支えてくれている方に、『次にG1を勝ったらガッツポーズをしてくれ』とお願いされていたので。それに応えないとと思ってやりました」。大勢のファンの前でのインタビューで、感謝の思いを込めて明かした。

現役最強マイラーが、その能力を存分に発揮した。好スタートを切って好位3番手を確保したが、外からかぶせられてエキサイト。「どうなるかと思ったのですが、そこから我慢してくれました」と川田騎手。なんとかリズムを取り戻すと、直線では後続を1馬身半突き放した。まさかの大敗を喫した12月の香港マイルから鮮やかな巻き返しに成功。2歳から3年連続マイルG1制覇を遂げた。

NHKマイルC覇者が安田記念も勝つのは初の快挙。鞍上は「朝日杯FSを勝ったときにポテンシャルの高さを感じ、NHKマイルCでこの馬は日本一のマイル馬になると実感しました。日本で一番強いマイル馬だと証明してくれました」とたたえた。

海外での大敗から立て直した陣営の手腕も光った。高野師は前走後に次は安田記念一本に絞ることを早いタイミングで決定。「限りなく思った通りの調整ができた。追い切りでは四肢の伸ばし方がこれまでとは違い、1段上にいると感じた」と振り返る。

今後については未定だが、この日の勝利で11月のBCマイル(米デルマー)の優先出走権を獲得。オーナーサイドと協議し、ベストの選択肢を模索していく。高野師は「こうしてまた輝きを取り戻してくれた。この馬の第2章が始まったと思う」。現役最強マイラーが、新たなストーリーを紡いでいく。【奥岡幹浩】

◆ジャンタルマンタル ▽父 パレスマリス▽母 インディアマントゥアナ(ウィルバーン)▽牡4▽馬主 (有)社台レースホース▽調教師 高野友和(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 8戦5勝(うち海外1戦0勝)▽総獲得賞金 5億435万円(うち海外0円)▽主な勝ち鞍 23年デイリー杯2歳S(G2)朝日杯FS(G1)24年NHKマイルC(G1)▽馬名の由来 インドにある天体観測施設