強力4歳世代の大器が新春の好発進を決めた。1番人気のゲルチュタール(牡4、杉山晴)が重賞初制覇を果たした。
坂井瑠星騎手(28=矢作)の積極的な騎乗に応え、2番手から堂々たる押し切り。次走は未定だが、春の大舞台をにぎわせる存在になりそうだ。
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春のような陽気を裂き、530キロの巨体が土ぼこりを上げて突き進む。長い両腕で手綱をしごく鞍上のアクションに応え、ゲルチュタールが粘る逃げ馬をねじ伏せた。新春をことほぐ重賞初制覇。坂井騎手は「着差は首差でしたけど、勝ち切ってくれたのがよかったです」と白い歯を見せた。
パートナーの特性と馬場をフルに生かした。G1初挑戦となった前走の菊花賞では4着。3コーナーでもたついて馬群に閉じ込められ、持ち味の持久力を生かせなかった。今開催の京都芝は先行有利で、誰もが「差しづらい」と口をそろえる。導き出した最適解が道中2番手からのロングスパート。杉山晴師は「京都の芝の傾向も見て、この馬の持ち味の長い脚を生かす競馬をした。瑠星との相性もいい」と人馬をたたえた。
成長曲線もまた見込まれた通りだった。2歳の夏に栗東で初めてまたがった若き名手は「良くなるのは古馬になってからだと思った」。大器晩成。ちょうど1年前のG3京成杯で10着と大敗した若駒は、条件戦を着実に駆け上がり、G2で1番人気に応えるまでにたくましくなった。
春には大舞台での快走が期待される。次走は未定だが、坂井騎手は「非常に強い明け4歳世代の中でも、トップクラスの馬だと思う。G2を無事に勝てたので、この馬とG1を勝てたら」と頂点を視界に入れた。一片の雲もなく澄みわたった冬晴れの青空が、洋々たる未来を表しているようにも見えた。【太田尚樹】
◆ゲルチュタール ▽父 ブリックスアンドモルタル▽母 キラービューティ(ゼンノロブロイ)▽牡4▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 杉山晴紀(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽通算成績 9戦5勝▽総獲得賞金 1億5938万4000円▽馬名の由来 ドイツ、ザクセン州にある、レンガでできた世界最大の鉄道橋

