同じ敗戦でもいろいろな種類がある。勝負事である以上、わざと負けるということは絶対にない。ただ、やるべきことをやって負けたのなら諦めようがあるが、次の試合につながらないような敗戦は、できる限り避けなければいけない。長いペナントの戦いと、CSや日本シリーズのような短期決戦は、大きく違う部分がある。その違いが最も大きく出るのがピッチャーの継投で、ソフトバンクは継投を間違えてしまった。
先発は大関だった。今年は13勝5敗。優勝に貢献した左腕であり、第4戦の先発に文句はない。ただ、ペナントでは24試合に先発し、完投は1度もなし。短期決戦であり、継投策は必然で、大関の交代時期は大きなカギを握っていた。
初回に1点を先制した。1点とはいえ、リードすれば思い切った手を打てる。大関は初回と2回を無失点に抑えたが、変化球の制球力が悪く、それほど調子は良くなかった。早いイニングでの継投を準備していると思っていた。
しかし、3回1死から苦手にしている水谷に2打席連続四球。続く山県の左中間への当たりは、フェンスを直撃して跳ね返った打球の方向が悪く、同点の三塁打になった。ここで迎えたレイエスは今CS絶好調。勝負するなら交代でよかったが、初球の甘いフォークを2ランされてしまった。
この後、続く郡司に二塁打、清宮幸にもライト前を打たれ、やっとリリーフを送った。レイエスか、遅くても郡司のところで交代でよかったが、遅れただけでなく、右のマルティネス、万波と続く状況で左の松本晴がリリーフ。「右のリリーフを準備してなかったのか?」と思えるような継投だった。本来、早いイニングから継投策を準備する試合なら、左投手が先発したならリリーフの1番手は右投手がセオリー。そうしておけば、迷ったときにスパッと交代させやすい。もちろん、左右の両方を準備しなければいけない状況だった。
代わった松本晴がどういう状態でマウンドに上がったのかは分からない。結果はマルティネスに四球を与え、万波には4点目の犠牲フライを打たれてしまった。悔やまれる継投になった。
長いペナントでは疲労やケガのリスクを回避するための戦略は重要だが、目先の1勝のために全力を尽くす短期決戦は違う。この第4戦までに第2戦と第3戦に連投したリリーフはいない。もっと積極的な継投策ができたはず。そして短期決戦での継投は早すぎるぐらいでよく、遅すぎる失点はダメージが大きく雰囲気も悪くなりやすい。ソフトバンク投手陣は先頭打者を出したり、四球が多すぎる。内角を攻めきれずに浴びたレイエスの2本目のホームランは最悪だった。
それでもまだアドバンテージを含めて3勝2敗で数字上は有利。総力戦のつもりで戦ってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)




