偉大な先輩に届ける金星だ! 西武武内夏暉投手(22)の母校、八幡南が3-2でシードの鞍手を下し、夏6大会ぶりの4回戦進出を決めた。2-2の7回1死一、三塁で3番溝上虎芽(たいが)外野手(2年)が値千金の勝ち越し犠飛。初回には先制タイムリーを放ち、この日2打点と勝負強さを発揮した。投げては2番手の大束知輝投手(2年)が7回2/3を無失点の好リリーフ。武内先輩に負けじと快進撃を続けていく。
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一塁を回ったところで、溝上が雄たけびを上げた。「よっしゃ~!」。右拳を天に突き上げる。「過去イチの1本。打てて良かった」。三塁ベンチへ戻っても、しばらく興奮は冷めなかった。
心は燃えたぎっていた。「チームが勢いづくのは、ここしかないと思って」。2-2の7回1死一、三塁。カウント1ボールからの2球目だった。外角低めの変化球をすくい上げ、中堅へ運んだ。タッチアップに十分な飛距離。三塁走者が勝ち越しのホームを踏む。「泥くさく1点を取れた。粘り強く戦えた」と胸を張った。
初回1死三塁では右前に先制タイムリー。「自信を持って打席に入っている」。チーム一の真面目な性格。仲間からも一目置かれ、練習から誰よりも早くグラウンドに到着する。努力家が2打点と勝負強さを発揮し、シード校との1点差勝負をモノにした。
ナインにとって、偉大な先輩の活躍が大きな刺激となっている。パ・リーグ新人で初めて先発での開幕5連勝を挙げた西武武内だ。校内には今でも「ドラフト1位指名」を祝福する垂れ幕が掲げられている。校舎内の玄関にはユニホームも飾られている。現2、3年生は今年2月に1泊2日で西武の春季キャンプ地、宮崎・南郷も訪れた。
2番手で好リリーフした大束は「キャッチボールから球がすごく伸びていた。武内投手の投げる試合は毎試合見ています。やっぱり刺激になりますね」と笑顔。溝上も「すごい活躍されているので、自分たちの励みにもなります」と言葉に力を込めた。
同校は春夏を通じて甲子園出場が1度もない。夏4回戦進出も6大会ぶりだ。「次もチームを勝利に導くために勝負強い打撃をしていきたい」。獅子の先輩に負けじと、後輩たちも快進撃を続ける。【佐藤究】
◆溝上虎芽(みぞかみ・たいが)2007年(平19)11月15日生まれ、福岡県北九州市出身。小学4年で野球を始め、浅川中では八幡ボーイズに所属。八幡南では1年秋に初ベンチ入り。好きなプロ野球選手はレッドソックス吉田正尚。好きな芸能人はお笑いタレントの粗品。50メートル走6秒8、遠投90メートル。174センチ、70キロ。右投げ左打ち。

