試合に敗れて、健大高崎(群馬)・森山竜之輔内野手(3年)は寂しそうに座っていた。

右の強打者はなかなか結果が出ず7番起用が続いたが、この日は5番に入った。「そうですね…まぁ、自分がやってきたことを監督さんが信じてくれたということだと思います」

目をつぶりながら、少しだけうれしそうに回想する。「うれしかったですけど、その期待に応えられなかったのは悔しいですね」と続けた。4度打席に立ち、安打は出ず。9回無死、自身最後の打席は三塁ゴロ。ヘッドスライディングで終わった。

いわゆる“スーパー中学生”としてテレビ番組に出演したことがある。1度じゃない。「中1、中2、中3、全部出ました…」。中1では川上憲伸氏と対戦しセンターフライに。中2では岡島秀樹氏に打ち取られた。

いいことも、そうじゃないことも。「当時はうれしい気持ちはありました。何度も録画を見返したり。いろんな人に声掛けられたんですけど、高校ではその分、注目や期待をされて。それで打てなくなったりすると、やっぱり、けっこう言われたり、自分でも考え込んじゃったりして…。いま思うと中学の時、そんな本当にすごい実力でもなかったんだなーって」

高校では1年、2年と苦しんだものの「やっぱり自分たちが引っ張らなくっちゃ」と思い、少しずつ上向きに。センバツ優勝にも貢献。野球の試合でテレビに何度も映る選手になった。甲子園は「自分以上の力を出せるところですし、逆に相手もそれくらいで来るので、本当に何が起こるか分からない場所」と感じてきた。

高校野球が終わった。大きな重圧も「これからの人生を見たとしても、本当に濃い3年間だったと思います」と今では言える。「最高の仲間ができて自分の財産になると思います。後輩たちも力を貸してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」とまた目を閉じる。

大学野球に挑戦する。「大学野球は本当に、自分次第だと思っているので」と気を引き締める。「本当に死ぬ気でやって、プロに行って活躍したいです」。またいつか、お茶の間をわかす。【金子真仁】