日本ハム中田翔内野手(26)が、ロッテ7回戦の9回に3試合連続本塁打となる両リーグ最速の10号ソロを放った。そこまで5打席連続凡退と、活発な打線にただ1人乗り遅れていたが、迎えた最終打席で、自身5度目の3戦連発。主砲のアーチで2試合連続の先発全員安打&2ケタ得点も記録。連勝でカード勝ち越しを決め、貯金は今季最多の9となった。
すべてのイライラを、ぶつけた。完璧なアーチにも中田の顔は、ゆがんだままだ。最終9回の第6打席。「たまたま振ったら、たまたま当たって、たまたま入った」。浮かない表情でダイヤモンドを一周。節目の放物線に笑顔はなかった。5年連続の2ケタ、27試合目での10号到達は8年目で自己最速。年間53発ペースにも「そういうのは考えていないから」と、バッサリ切り捨てた。
ふがいなさを感じていた。6回まで5打席連続凡退。4回は右飛に終わり、バットをたたきつけて怒りをあらわにした。「チャンスを、たくさんつぶしてしまっているので情けない。これが接戦だったら…」。好機で打てなくても仲間が助けてくれた。今季最多20安打、14得点でチーム5年ぶりの2試合連続2ケタ得点。自身の1発で2試合連続先発全員安打のおまけまで付いたが、歯がゆかった。
目をかける後輩もカバーしてくれた。春季キャンプ中から打撃のアドバイスを送る岡が3回に適時打、5回には2号ソロ。ベンチでは笑顔で出迎えた。開幕日の3月27日。中田は岡にバットを1本、手渡した。黒色で芯の部分までは細く、芯から先は通常の太さ。ヘッドスピードを意識するトレーニングバットだった。開幕2日前にミズノ社の担当者に「1本、持ってきて」と発注。おとこ気あふれるプレゼントだった。
今も大事に練習で使い続ける後輩と初めてのアベック弾。岡は「いろいろアドバイスをしてくれているおかげ」と感謝。中田も岡を含めた打線全体に「感謝ですね。チャンスに打てなかったことを反省して、また明日に切り替える」と前を向いた。栗山監督は「ああいう1本は大きいよね」と目を細めた、4番の意地が詰まった今季10本目。今季最多の貯金9で首位を快走するチームの4番は、すぐに試合を決める一振りで借りを返すはずだ。【木下大輔】
▼中田が両リーグ10号一番乗り。日本ハムでは62年張本、69年大杉、71年張本、80、81年ソレイタ、94年田中幸、05年小笠原に次いで10年ぶり6人(8度)目。このうち本塁打王は81年ソレイタだけ。日本人の両リーグ10号一番乗りは、07年新井貴(広島)以来8年ぶり。



