虎が悲願の優勝を逃した。広島に連敗し、リーグ優勝が完全消滅。球団80周年の節目シーズンを、10年ぶりのVで飾ることはできなかった。攻守で精彩を欠き、借金生活に突入。シーズン終盤の失速が、またも繰り返されてしまった。

 秋晴れと現実のコントラストがあまりに悲しかった。15年V逸を象徴するようなシーンだった。1点を追う8回表、無死満塁の逆転機を作り上げた。さあ一気に…、といかないのが今季の虎だ。1人目の代打西岡は犠飛すら打ち上げられない。大瀬良の内角高め147キロに力負けし、ドン詰まりの二飛に倒れる。2人目の代打伊藤隼は内角低め151キロに反応できず見逃し三振。最後は途中出場の梅野が二飛に終わり、同点にすらできなかった。

 直後に追加点を許し試合は決まった。3点を追う9回は無死一、二塁から3者連続凡退。明け渡した流れを引き戻す反発力もない。これも1年通して変わらなかった。10年ぶりV奪回は夢に終わった。

 「現状を重く受け止めているし、責任は痛感している。全ての責任は私にあります」

 和田豊監督(53)は「責任」という言葉を2度も口にした。3年契約が終わった昨年オフ、単年での続投が決まり勝負の1年に臨んだ。序盤は苦しんだが、歴史的な大混戦の中で8月に首位に立つと、9月上旬までそれを守っていた。ただ、9月の半ばから徐々に失速すると12連戦でここまで2勝8敗と大失速して、終戦となった。

 昨年、一昨年の2位に続き、今年も終盤の大失速で優勝を逃した。外国人選手、ベテランを中心にあくまで勝ちにこだわったが、勝負弱さは拭えなかった。電鉄本社、球団ともシーズン終了まで見守る方針だが続投の条件であった「優勝争い」はクリアできず、今季限りでの退任は確実な状況だ。関係者によれば、指揮官もすでに覚悟を固めているという。

 「残り4試合全力を尽くして、そこからもう1回チャレンジできるように。今はそれしかない」

 和田監督はCS進出と、そこからの巻き返しへ全力を尽くす覚悟を示したが、きょう巨人戦に敗れれば、2位も消滅。4位広島には1・5ゲーム差に詰め寄られた。Bクラスの可能性すらでてきた。

 この日、初回には相手の盗塁に二塁大和のベースカバーが遅れるなど守備のミスが出て3失点した。2点を追う5回は1死一、三塁から福留のライナーに一塁走者・大和が飛び出す走塁ミスで併殺。ミスが続き、負けて当然と言われて仕方がない内容がV逸の悲しさを際立たせた。和田監督が退路を断って挑んだシーズンは、無念すぎる形で終戦を迎えた。

 ▼阪神は今季の優勝の可能性が消滅した。残り4試合に全勝しても、72勝69敗2分けで最終勝率5割1分1厘。ヤクルトが残り5試合に全敗した場合の73勝68敗2分け、5割1分8厘に及ばない。阪神のV逸は、06年から10年連続。

 ▼阪神は今季68勝69敗2分け。借金を抱えるのは、7月21日の42勝43敗1分け以来、68日ぶり。