広島会沢翼捕手(27)が11日、キャンプ地の宮崎・日南市で契約を更改した。今季は石原の83試合を上回る捕手トップの93試合に出場したが400万円微増の年俸2300万円でサイン。自己最多出場のシーズンで感じた課題と悔しさを胸に、正捕手の責任感を背負って来季はチームを高みに導くつもりだ。

 更改を終えた会沢の表情はこわばっていた。提示金額への不満ではない。自分自身への不満だった。

 「悔しいシーズンになりました。優勝できなかった。それがすべて。個人としてもシーズン途中から出られなくなった。捕手の中で一番多く試合に出るのは目標としていたことでしたが、チームは4位だったので…。何とも言えない」

 9年目で初めて開幕マスクをかぶった。シーズンを通して1軍でプレーしたのも初めて。前半戦を折り返すまで81試合中、48試合で先発マスクを任された。初出場となった球宴2戦目では、広島捕手として球宴初本塁打を放って最優秀選手賞を獲得。その名を全国にとどろかせた。

 だが、後半戦に入り打撃が下降。チームの勝敗に影響した。徐々に先発マスクを石原に譲り、出場機会は減った。

 結果的に自己最多93試合に出場した。背中を追い続けた石原の83試合を上回った。だが、チームは3年ぶりBクラス。長いペナントレースで調子を維持する難しさ、正捕手としてチームの勝敗を背負う重さを初めて知った。

 秋季キャンプでは打撃向上を目指し、タイミングの取り方を変えた。「まだまだ足らないことが多い。1年間初めて1軍にいて、あらためてしんどさが分かった。打撃も守備もすべてが課題」。契約更改を前に「現状維持も覚悟していた」。提示額はいくらでも受け入れる覚悟だった。「来年、優勝すること。それしかない」。正捕手としての責任の重さから目をそむけない。会沢が来季をにらんだ。(金額は推定)【前原淳】