阪神に復帰して精力的にトレーニングする藤川球児投手(35)が11日、若虎8人と突発的に体育館合同自主トレを行った。雨と風が強まる正午すぎ、鳴尾浜の寮にいた若手に大号令を発した。

 「雨でみんな暇そうやから。行きたそうにしてるから行く? って」

 鶴と松田が球児から1万円を受け取り、片道10分かけて鳴尾体育館までランニング。2時間4600円で貸し切りとなった。体育館の管理者も「阪神の選手が来て練習するなんて初めてですね」と驚きの顔。そして午後1時半、藤川は8人を引き連れ3台の車で体育館に入った。

 約1時間に及ぶ練習は報道陣をシャットアウト。バスケットボールなど他競技のボールを使ったトレーニングを行い、若手を追い込んだ。松田が「ヘトヘトです」と話せば、金田も「めっちゃ疲れました」と8人は疲労困憊(こんぱい)。突然の道場主は笑みを浮かべながら意図を説明した。

 「ただ走るとか、ただドリルをターンしたりというものよりもね。こういうことをしておけば、また次に使える。ずっとタイガースの中でやってて、タイガースのことしか分からないだろうから、いろんな自主トレ方法があることもね」

 米国で3年間、独立リーグの高知で半年間。積んできた経験を後輩たちに積極的に伝えていく姿勢は、変わろうとするチームに不可欠だ。

 「もともと距離感を感じてないし、年齢も関係ないし。先輩も後輩もないですよ。タイガースが勝てばいいんです」

 阪神の球児が自主トレを開始して17日目。鳴尾浜にはすでに超変革の風が吹いている。【梶本長之】