強竜打線が「日本生命セ・パ交流戦」で日本ハムの「ドラ1」吉田輝にプロの洗礼を浴びせた。主将高橋周平内野手(25)の勝ち越し犠飛を含む1安打2打点を筆頭に、3回6安打5失点でKO。その後も攻め立て12安打8得点で今季2度目の同一カード3連勝を決めた。29日の阪神2連戦(ナゴヤドーム)から再開するリーグ戦へ弾みをつけた。

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昨夏の甲子園のヒーローに強竜打線が序盤から襲いかかった。2点を追う初回。まずは、大阪桐蔭時代に甲子園通算70本塁打を放った05年高校生ドラフト1巡目の平田だ。先頭打者で145キロの直球を右翼へ運んで二塁打とし、プロ14年目の貫禄を披露。無死満塁から主砲ビシエドの2点二塁打であっさり同点。11年ドラフト1位の8年目高橋が無死二、三塁で続いた。初球145キロの直球をファウルし、2球目、その球速差34キロのカーブに反応。右翼へ勝ち越しの犠飛を運んだ。

高橋 ストライクを見逃さないように、ストライクが来たら打つつもりだった。カーブだったけどうまく打てた。真っすぐはいいと思う。

竜の主将は新人右腕をたたえながら、リーグ打率1位の貫禄を見せつけた。3回には直球を右中間へはじき返す適時二塁打で突き放した。5月の月間MVPを初受賞したばかり。脂が乗る25歳が吉田輝から2打点をもぎ取り、プロ2戦目で3回6安打5得点で攻略してみせた。

終わってみれば今季25度目の2ケタ安打で、8点をたたき出した。与田監督は打線を褒めたたえた。「8連戦で体がきつかったと思うが、よく戦ってくれた。打線の状態が良くなって、投手も1失点を恐れなくて済んでいる」。チームは今季2度目の同一カード3連勝。交流戦は8勝10敗で乗り切った。指揮官は試合後ナインを集め「みんなよく頑張った。リーグ再開後にもみんなで力を合わそう」と声をかけた。リーグ戦での反攻に向けて言葉に力がこもった。【伊東大介】

▽日本ハム栗山監督「全てが勉強なので。いいも悪いもない。前に進んでいくしかない。(次回の先発登板は)しっかり考える」

▽中日平田(昨季リーグ打率3位で、吉田輝に二塁打と三振)「真っすぐが下から出てくるイメージ。いい球を投げていた。(スピード)ガンより速く感じた」

▽中日大島(吉田輝から1四球、1安打)「高めの真っすぐに力があった。浮き上がる感じ。投げる間合いを考えていたり、ルーキーっぽくないセンスも感じた」

▽中日ビシエド(昨季首位打者は吉田輝から初回同点二塁打)「初球の真っすぐにビックリさせられた。いい回転でピュッと来た。向かってくる姿勢がすばらしい。球離れが(打者に)近く、手元で伸びてくる」