阪神福留孝介外野手が開始4分で鮮やかな号砲だ。1回1死一塁。

初顔合わせのヤクルト田川が投じた高めのスライダーを強振。「初対戦の相手なので、甘いボールは見逃さない意識のなかでしっかり仕留めることができました」。打った瞬間に確信する先制8号2ランを右翼席上段まで運んだ。連勝の流れを加速させる一撃だ。

意気盛んな42歳の勢いは止まらない。4回は先頭で高め速球を左前へ。これが起点となって、この回は5長短打4得点を呼ぶ。5回は右中間二塁打。三塁打が出れば自身3度目のサイクル安打達成だった7回は、惜しくも空振り三振に倒れた。「この球場じゃ無理だよ。足が切れるよ」と冗談を飛ばすのも好調の証しだ。

快挙を逃しても、5連勝に貢献。ベテランに引っ張られるように、先発野手全員安打。投打の歯車がかみ合う。「いい流れがあるので大切にしたい」。超人的なベテランが、シーズン終盤に存在感を際立たせる。