侍ジャパンの宇田川優希投手(24)が「宇田川会」をきっかけに飛躍を期す。強化合宿第2クール初日、ライブBPに登板。源田、周東、甲斐、近藤、牧を相手に23球で安打性の当たりはなし。「真っすぐ以外はいい球がいっていたと思います」と手応えを得た。

休養日だった前夜には投手陣全員で焼き肉に行った。最後の記念撮影時にダルビッシュから「とりあえず宇田川くん、真ん中で腕組んで」と言われ、そうそうたるメンバーの中心で腕組み。その後、フォロワー274万人のダルビッシュのツイッターで「宇田川会にいってきました」という投稿をみて「めっちゃびっくりしました」と困惑した。

昨季7月に育成から支配下に上がって一気に侍ジャパンまで階段を駆け上がったシンデレラボーイ。「スーパースターすぎて、うまくしゃべれなくて…」と気が引けて周囲となじむのに一苦労。それでも「昨日の食事会でも話してくれて、結構慣れたというか、自分を出してもいいんだなと思って楽しめました」と、閉ざしていた心を開くきっかけをつかんだ。

温かい言葉にも助けられた。18日のダルビッシュの初ブルペンを減量トレーニングのため見学せず。「宇田川会」へのタクシーの道中では減量法の助言とともに「自分をいじめすぎず、優しくていいから」とアドバイスされた。好物の牛タンをほおばって気分転換し、この日のライブBP前には念願の最年長右腕のブルペン投球見学も実現。「真っすぐの力強さがすごい」と舌を巻いた。ゆっくりチームになじんで、素の宇田川優希をさらけだしていく。【小早川宗一郎】

○…岡本が超一流との対戦経験を積んだ。ダルビッシュとのライブBPで打席に立ち、5球で安打性の当たりはなし。メジャー右腕に「体がでかい。岡本くんが一番(威圧感を)感じた」と評された若大将は「絶対に打席に立たせてもらいたいと思ってたのですごい楽しかった」とかみしめた。守備では緊急時に備えて左翼につき「準備だけはしっかりしたい」と万全を期した。

○…牧はダルビッシュの生きたボールを糧にする。ライブBPのラスト4球目は、内寄りツーシームに三塁線へのファウル。「自分のツーシームのイメージは、たれながら落ちる。ダルビッシュさんのは、そのままの強さで来た」。動き幅も大きかった。「(WBCでは)ダルビッシュさんみたいなピッチャーがいっぱい。そういうピッチャーを打たないと勝てない。今日、見たことを次に生かしたい」と決意を口にした。

○…松井が強化合宿3度目のブルペン入りで43球を投げた。序盤はスライダーがワンバウンドするなど制球に苦しんだが、25球あたりから安定。「最後の感覚を最初から出せればいいかな。体が、いい動きを覚えてくれれば」と自らに言い聞かせるように話した。