<楽天1-3日本ハム>◇27日◇楽天モバイルパーク

本塁生還と三塁のアウトはどちらが早かったか。日本ハム新庄剛志監督(51)は楽天の得点を阻止した場面について「0・3~4ミリ、ちょっと浮いてたから。ちょっとね、1歩半くらい緩めたんですよね」と振り返った。

2点リードの3回2死一、二塁の守備。浅村の左前打で二塁走者の小深田が生還→一塁走者の辰己は三塁でタッチアウト-。この時系列で当初は判定され、楽天に1点が入った。逆の時系列なら無得点だが、タイミングは微妙だった。

ただ、新庄監督は即座にリクエストした。三塁で辰己がアウトとなった瞬間に、小深田が少し速度を緩めて本塁ベースを踏もうとした左足が「0・3~4ミリ」浮いていたように見えた。リプレー検証の結果、見立て通りに判定は覆り、楽天の1点は取り消された。

試合のポイントとなった“神リクエスト”の裏には、堅実な守備があった。三塁へ好送球した左翼・松本剛は「イメージはできていた」と左中間寄りの打球で「(バック)ホームは絶対無理。辰己が(二塁を)回ったのが見えたので、サードで勝負」と迷いなく判断。無駄のない一連のプレーでアウトにした。「ホームより早くアウトになったのは、運がよかった」と振り返ったが、新庄監督も「完璧だった」と、たたえた凡事徹底のプレーが勝負の分かれ目となった。

18日の中日-阪神戦で同様のプレーが起きた翌日に、日本ハムでは「こういうことがないように、という指示はしてました」(新庄監督)。前日には1点リードの8回に、遊撃後方への飛球を“お見合い”し、安打になったプレーから逆転負けした。野球はミスが命取りとなると痛感したばかり。当たり前のことを当たり前にやることは、確実に勝敗にリンクすると、勝利から学べたことが大きかった。【木下大輔】