オリックス宗佑磨内野手(27)が甲子園で「シリーズ男」に変身した。7回に中前に同点の2点タイムリーを放つなど2安打2打点。日本シリーズ2戦目までは8打数無安打と「逆シリーズ男」の不振ぶりだったが、敵地で2戦連続安打&打点と復調。チームはサヨナラ負けを喫し、対戦成績は2勝2敗となったが、宗が力強くチームを引っ張る。

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シリーズ男に、オレはなる! 宗が2戦連続の大暴れだ。

2点を追う7回、敵失と代打セデーニョの安打などで1死二、三塁のチャンス。阪神の左腕桐敷のストレートを、宗がセンター前へ運ぶ。2人の走者が生還する2点適時打。試合を振り出しに戻した。「チャンスの場面でしたし、とにかく必死に打ちにいきました!」。宗は第3戦で2点適時二塁打を放っており、甲子園で連夜の活躍。3回に四球で出塁し、5回には右中間への二塁打。そして2点打。勝負強い打撃で“シリーズ男”になりそうなムードが漂ってきた。

守っていても「やばいです。服揺れるんちゃうかぐらい、びりびりと来ます」と話す敵地での大声援にも負けず、バットでその声を沈黙させた。

序盤からチャンスは多かった。先頭打者が出塁すること8回まで6度。2回に1点は奪ったものの、阪神投手陣の粘りで得点に結びつかなかった。ようやく実を結んだのが7回だった。8回には1死二、三塁の好機に双方のベンチがめまぐるしく動いた。代打T-岡田に対し左の島本が出てくると、中嶋監督は右の安達を代打の代打で送った。それでも勝ち越し点は奪えない。そんな究極の戦いで、宗は存在感を放った。

2戦目までは「逆シリーズ男」になりかねなかった。2試合連続ノーヒット(8打数無安打)で、バットは湿っていた。「焦りというか、いい感じでヒットが出ないとバッターって、あれって思うので」。それが、前夜いい場面で1本出たことで波に乗った。それでも「チームが勝つことが最優先なので。1本のヒットよりも進塁打の方がいいこともありますし」とフォア・ザ・チームの精神を強調する。チームはサヨナラ負けを喫し、2勝2敗となったが、宗は攻守に全力を尽くす。

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