“足回リフォーム”で首位打者に返り咲く。日本ハム選手会長の松本剛外野手(30)が来季に向け、走り方改良に取り組んでいる。今季は両アキレス腱(けん)炎で、5月に3試合連続欠場。リーグ5位の打率2割7分9厘と健闘も、一時的に戦列を離れた影響もあり、連続の首位打者は逃した。今オフ、地面をかく走りから足裏で押す走法に微調整しアキレス腱(けん)への負担を軽減させ、全試合出場とタイトル奪還につなげる。

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松本剛が“足かせ”を取っ払い100%の力を注ぎ込む。今季は自己最多134試合に出場も、2年連続の首位打者は取ることはできなかった。昨年骨折した左膝の状態や、5月に発症した両アキレス腱痛で一時的に戦線離脱したことも、影響した。「コンデショニングが結構つまずいていた時期もあった。そこはトレーナーさんも含め、一緒になって取り組んでやっていきたい」と思い描いた。

その「つまずき」を解消する試みの1つが、走り方改革。今オフの自主トレでは、トレーナーと話し合いながら足を後ろに“かく”走法から、地面を“押す”イメージの走りへモデルチェンジを図っている。「ケガと付き合っていかないといけないならば、それをカバーできる技術があれば問題ない」。足回りの微調整で打席を増やせれば、数字を上げる自信は、ある。

タイトルを逃した今季もプラスに捉えている。痛みを抱えながら自己最多出場。「去年はいい期間が長すぎたので調子が悪くなった時の怖さを知れていなかった。今年は逆。悪いなりにやれた。そこを両方、生かせていければ、来年はもっといい1年になる」。足回りを気に掛けながらもリーグ5位の打率2割7分6厘。来季は好不調の波も減らしていき、2度目のタイトルを引き寄せる。

30歳にして1億円プレーヤーの仲間入りを果たし、正月の風物詩「とんねるずのスポーツ王」リアル野球BAN(1月2日放送)にも、2年連続で出演する。「やっぱり1回(首位打者を)取ってまぐれと言われないように。2回目取れれば実力が証明される」。遅咲きのヒットメーカーは、まだまだ成長を続けていく。【永野高輔】