“イチ流”を目指す。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が7日、神奈川・横須賀市内の青星寮に入寮した。21年の冬から交流があり、年明けには食事に連れて行ってもらったイチロー氏(50=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から直接手渡された手書きの年賀状を持参。スターが託してくれた金言を胸に、プロの世界で輝きを放つ。

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度会が紙袋から大事そうに年賀状を取り出した。「賀正 本年もよろしくお願い申し上げます イチロー」と筆で力強く書かれている。宛名は「度会隆輝様」。年明けに連れて行ってもらった食事でイチロー氏から「これ僕の手紙だよ」と直接手渡された。「イチローさんみたいになりたいと思って年賀状を持ってきました」と白い歯を見せた。

ゴリ押し戦法でこぎ着けた食事会だった。ENEOSに入社した21年からイチロー氏とともに年に数回、練習する機会があった。今オフにも合同練習し、食堂でのランチが重なった。話の中でダメ元で「連絡先を教えてください!」と懇願。快諾してもらい「文面もイチローさんだな、という文面で、本当に光栄です」と目を輝かせた。聞き足りないがために「食事に今度行きたいです笑笑」とすぐにメッセージを送信し、チャンスをつかんだ。

金言の数々はメモに保存した。スマホを取り出して読み上げる。「僕は『優勝させることができるような選手になりたい』と言っていたけど、イチローさんは『優勝させる、と言える選手になりたいです』と(言いなさい)と。めっちゃ深いですよね」と心に刻む。ボール拾いの際やランニング時の姿勢も、野球のトレーニングにつながるという考えも学び、マネしている。

根っからの明るい性格はイチロー氏をも魅了する。食事会では「その明るさを保ちながら一流選手になれるように頑張りなさい」と背中を押してもらった。さらに「日本の野球はここ最近全く見に行けてないんだけど、度会君がDeNAで出てたらめちゃくちゃ行きたいから、その時は見に行くよ」とハマスタへの招待をお願いされた。度会は「相当なことなので…。見に来ていただけるように一生懸命やりたい。今年1年頑張って、またイチローさんにおいしいご飯連れていってもらえたら」と思い描いた。“ハマのイチ番星”がプロの世界で明るく光り輝く。【小早川宗一郎】

 

とにかく明るい度会隆輝アラカルト

◆ドラフト会議 3球団競合の末にDeNA入団が決まると、うれし涙を流して歓喜。フォトセッションではDeNAのタオルを手に「アイラブヨコハマ!」と繰り返し叫んでインパクトを与えた。

◆仮契約 「ベイスターズカラーです」と、青のオーダースーツに白ベルト、白い革靴で登場。写真撮影では郷ひろみばりのジャケットプレーを決めた。

◆新入団選手記者発表会 三浦監督も同席した会見で、印象について「声がすごいイケボで、カッコいい」と話して笑わせた。指揮官は照れ笑いしながらも「個性豊かな選手たちが集まってくれた」と歓迎した。

◆ファンフェスティバル 横浜スタジアムでの新人選手紹介で、人気アニメ「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー!」をノリノリで熱唱。「皆さんご一緒に」などオリジナルの合いの手や身ぶりを交えたパフォーマンスでファンを盛り上げた。

◆横浜スタジアム45周年記念イベント ドリームマッチで高校の先輩でもある松坂大輔氏と対戦。左飛に終わったが、大先輩から「華がある」と評価された。

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