“制御不能なカリスマ”ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)の内藤哲也(41)が、6年ぶり3度目のG1制覇を果たした。オカダ・カズチカ(35)とのG1ファイナルでの初顔合わせ。大観衆が見つめる前で、壮絶な戦いを制し、両国のど真ん中で「デ・ハポン」をさけんだ。

激しい攻防戦を制して34分18秒、デスティーノから3カウントを奪った。リング上で最多5度の優勝を誇る”黒のカリスマ”蝶野正洋から優勝旗を受け取ると、息を整えて声を張り上げた。「この瞬間を楽しみたいんだ。最高の舞台で3度目の優勝。最高の気分だ。このリングの主役は、、オレだ!」。続けて「みなさん、いいですか。デ・ハポン!!」。

新日本という巨大団体をけん引してきた2人。ここまでの対戦成績は、内藤の6勝7敗で、負け越していた。直近の対決は、昨年の5・1福岡PayPayドームでのIWGP世界ヘビー級王座戦。その時も、オカダのレインメーカーの前に屈していた。これで、やっとイーブンとした。

その際に、内藤はオカダに対して「目障りな存在ですね。いや、悪い意味じゃなくて。オカダが新日本プロレスに入ってくるって聞いた時から『なんでアイツは入門テストを受けずに入れるんだ』と思ってたし。実際入ってきてから新日本プロレスであり、他の選手のオカダへの期待っていうのを俺は感じてたので、『何で外から入ってきたオカダにみんな期待するんだ』と悔しいなと思ってました」と素直な思いをはき出していた。

先にG1を取ったのも、オカダが先だった。オカダは第22回大会で初優勝。先輩の内藤のG1初制覇は、第23回大会だった。IWGPヘビー級王座もオカダが第57代、内藤は第64代で初戴冠だった。内藤は「先にIWGPヘビー級王座も取られましたし、G1も先に優勝されましたし。常に嫉妬対象でしたね。ただ、理由はなぜかわかりませんけど、いまは割とオカダ・カズチカっていう存在をちょっと余裕を持って見れるかなって。それぐらい何かいまの俺には余裕があるかな」。当時は先にオカダいた。今は違う。来年の「1・4東京ドーム」のメイン出場を見据える男は、抑えきれない。