大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)への出場を目指す平幕宇良(25=木瀬)が3日、福岡市内の同部屋で朝稽古を行い、相撲を約10番取った。先場所2日目に痛めた右膝に器具を装着し、上からサポーターをつけた姿で三段目、序二段力士と申し合い。立ち合いに加減が見られるなど、本調子にはほど遠かったが、相撲は前日2日から取り始めたという。

 申し合い後は右膝のサポーターなどを外し、テーピングのみで若い衆に軽く胸を出したりしたが、土俵の外では時折足をひきずるしぐさを見せた。

 宇良は稽古後、苦笑まじりに「完全に治ったと言っといてください」「まだ自分でも(どうなるか)分からないんです」と話したのみ、言葉少なだった。師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)は「またケガをするとねえ」と心配しつつも、九州場所出場の可否は「相撲が取れない訳じゃない。自信があるなら出ればいいし(決断は)本人に任せます」と話した。

 先場所は自己最高位の東前頭4枚目で臨んだが、3日目から休場したことで、番付は幕尻の東前頭16枚目まで下がった。今場所も休場となれば、十両に陥落する。ギリギリまで決断を持ち越す可能性がある。崖っぷちの人気者が、必死の調整を続けていく。