AKB48と、韓国のオーディション番組「PRODUCE101」の合同プロジェクト「PRODUCE48」の放送が、日韓両国で始まった。

 AKB48グループからは、世界選抜総選挙1位のSKE48松井珠理奈(21)や同3位宮脇咲良(20)ら39人が参戦。ガールズグループの一員としてデビューできる12人の枠を目指し、全員が同じ練習生として厳しいレッスンや審査の日々を送っている。序盤の放送を見ると、48グループと韓国のエンターテインメントの方向性の違いが表れていて、興味深い。

 韓国から参加している練習生の多くは、芸能事務所には所属しているものの、ソロやグループとしてCDデビューに至っていない、いわばタレントの卵たち。6、7年、ひたすらレッスンを続けてきた練習生も珍しくない。審査の様子を見ると、デビュー前ながらボーカル、ダンスのキレもかなりの完成度。審査員が「デビューしていないのが不思議」と評する練習生もいる。

 一方で、AKB48グループのメンバーは、もちろん全員がグループの一員としてデビュー済み。それどころか、加入から1カ月足らずでステージに立ち、握手会でファンと交流し、最近ではデビュー前からSHOWROOMなどで動画配信をする。乱暴な言い方をすれば、「半人前」で実戦に駆り出され、その中で受けた刺激を成長の糧にしていくスタイルだ。

 ステージで見せるものが「すべて」の韓国と、ステージに立つまでの「過程」をエンターテインメントとして供給する48グループ。企業で言えば、業務から離れて徹底的に研修を重ねていくOff-JT(Off Job Training)型が韓国、実戦投入で人材を育てていくOJT(On Job Training)が48グループだろう。

 確かな技量をもとに、審査で次々と最高ランクのAを勝ち取っていく韓国勢と対照的に、48グループ勢は韓国勢のパフォーマンス力の高さに圧倒され、萎縮するメンバーも目立った。

 ただ、伸びしろという意味では、48グループのメンバーたちに分がありそう。これからのレッスンで、48グループ勢がどう変わってくるか、見ものだ。