ヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断に成功した海洋冒険家堀江謙一さん(83)が5日、拠点にしている新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で記者会見を開きました。堀江さんが“出演”した祖母、母、娘の3世代の100年の物語を描いたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は航海中に終了しました。会見では「カムカム-」との不思議な縁について、明かしました。

4月8日に最終回が放送された「カムカム-」。堀江さんは番組のラストを見ることができませんでしたが、放送後、ヒロイン・るいを演じた深津絵里からは視聴者への感謝とともに「堀江謙一さんの無事のご帰港をお祈りしています」とメッセージが送られました。

1月10日放送の第48話では、当時23歳だった堀江さんが1962年、小型ヨット「マーメイド号」に乗り、西宮港から米サンフランシスコまで、太平洋の単独無寄港横断に世界で初めて成功したニュースが流れた。劇中の白黒テレビの画面にはサンフランシスコに到着した堀江さんの映像が映し出されました。

「偶然にも今回の航海の発表とクロスしているんですよね」と堀江さん。今回の航海は新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで計画も1年ずれました。結果として、カムカム“出演”と、航海が同じ時期に重なったといいます。

「(出演時期が)バシッと合いすぎて、歴史的な話だなと(笑い)。ラッキーだなと、うれしく思っています」

「カムカム-」の結末については「視聴率が高かったと聞いていますが、あまり見ていなかったので…」と笑顔を見せた堀江さん。帰港セレモニーでは「精神と肉体が完全燃焼した。今、青春のまっただ中です」。人生100年時代。堀江さんのチャレンジャーとしての「100年の物語」は続きそうです。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で「第一歩」を記した堀江謙一さん(撮影・松浦隆司)
新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で「第一歩」を記した堀江謙一さん(撮影・松浦隆司)
新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)では多くの人が堀江謙一さんの到着を待った(撮影・松浦隆司)
新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)では多くの人が堀江謙一さんの到着を待った(撮影・松浦隆司)
新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で「第一声」のあいさつを行った堀江謙一さん(撮影・松浦隆司)
新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で「第一声」のあいさつを行った堀江謙一さん(撮影・松浦隆司)