2月21日に急性心不全で亡くなった、俳優大杉漣さん(享年66)の遺作となった、テレビ東京系「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(水曜午後9時54分)の最終第5話が7日、放送される。そのタイトルが「バイプレイヤーより愛をこめて」に決まった。同日、同局が発表した。

 そして松居大悟監督が最終回放送にあたり、亡くなる前日20日夜に大杉さんから「僕ら勝手に芝居してるんで、松居さんの好きなように撮ってくださいね」と声をかけられていた秘話を明かしつつ、大杉さんへの思いをつづったコメントを発表した。大杉さんは急死する約7時間前の20日午後9時ごろまで千葉・富津市で撮影を行っていた。

 松居監督 20日の夜に「僕ら勝手に芝居してるんで、松居さんの好きなように撮ってくださいね」って話したこと。いつも現場の最初と最後に「監督、おはようございます」「監督、お疲れさまでした」と声をかけてくれること。少年のような笑顔。お芝居に対する姿勢。仲間への想い。僕にとって、あなたは、とてつもないスターで、憧れで、それなのに監督扱いしてくれて、僕はいつも、どうしていいかわからず、なんとなく笑っていました。現実なんか塗り替えて、何度でも何度でも面白い芝居をしてもらっていいですか。あなたがだいすきです。おかげで一生やめられなくなりました。5話のタイトルは「バイプレイヤーより愛をこめて」にしました。バイプレイヤーズスタッフを代表して、あなたに、愛をこめて。オンエア、みてください。(原文のまま)

 大杉さんは17年1月期の「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」の放送終了後、続編の制作、放送を熱望し「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」は企画段階から関わっていた。遠藤憲一(56)田口トモロヲ(60)松重豊(55)光石研(56)と一緒にスーツを着て海の中から現れるオープニングも、大杉さんの発案だった。

 同局は、大杉さんが放送決定時に寄せたコメントも、あらためて発表した。

 大杉さん 「日本のおじさんたち、結構捨てたもんじゃないよ」という、ただ渋いだけじゃなくて、いろんな“ヒト”として生きてる姿みたいなものが、このドラマの中で散りばめられているような感じがしています。そういう意味では新しいドラマなのかなと思うので、是非一人でも多くの方に見て頂きたいと本当に願っています。(原文のまま)

 それを受けて、テレビ東京の濱谷晃一プロデューサーは「最終回までぜひ放送してほしい、というテレビ東京へのお問い合わせを驚くほどたくさんいただきました。キャスト・スタッフも『漣さんもきっと望んでいるはずだ』という思いのもと、一丸となって最終回完成に向けて突き進みました。相変わらずおじさんたちがわちゃわちゃしていて、右往左往していて、ゆるくて笑えるコメディーです。でも、最終回の完パケを見て、本当に完成させて良かったと思いました」とコメントした。