コロナ禍での暮らしを強いられること1年半、先週の木曜日、9日に初めて新型コロナウイルスのPCR検査を受けてきた。

東京都が実施している“モニタリング”という名目での無料検査。まさかTBSのドッキリ番組では!? と、一瞬思ったりもしたが“無料”にひかれて都内某所での検査に行ってきた。

基本的な検査法は、舌下に綿棒を突っ込んで3分間。唾液をたっぷりと含ませた綿棒をカプセルに入れて提出する。説明、待ち時間を含めても30分もかからなかった。

結果は3日くらいでメールで届く、とのことだったが翌日の午後には届いた。陰性だった。ホッとすると同時に、ちょうど埼玉の実家に帰っていて、93歳の父親と89歳の母親と一緒だったので「これからは繁華街に足を踏み入れることなく、清く正しい生活をして親孝行をしよう」と固く心に誓った。翌日は実家でAmazonプライムの配信で、1970年(昭45)の名作映画「八月の濡れた砂」(藤田敏八監督)を40年ぶりに見るなどして、出歩くことなくおとなしくすごした。

ところが、その翌日の晩にデスクから命じられたのが、東京・池袋西口の繁華街の映画館での取材。一瞬、拒否しようと思ったが、政治、プロレスで2度も番記者をさせていただいた、アントニオ猪木さん(78)の「迷わず行けよ 行けば分かるさ」という「道」という詩の言葉が頭に浮かび、快諾してしまった(笑い)。

で、日曜日に実家を出て、命がけの気分で池袋まで取材に出掛けた。取材対象は公開中の映画「劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人3~」(天野裕允監督)に出ているザ・マミィというお笑いコンビの舞台あいさつだ。命をかけた決死の思いが通じたのか、他に取材陣はなく“独占取材”となった。

ザ・マミィは全然知らなかったのだが、これが掘り出し物だった。最初は懐かしのザ・マミーという、ミイラをイメージしてたたくと白い粉が舞う怪奇派レスラーを思い出したのだが、なかなか面白いコンビだった。

ボケの酒井貴士(30)とツッコミの林田洋平(29)。舞台あいさつでも、あれこれ笑わせる酒井に対して、それほど強烈でもないツッコミの林田。40年前の漫才ブームでビートたけし、島田紳助、島田洋七の強烈なボケに「うなずきトリオ」と言われたビートきよし、松本竜介、島田洋八のツッコミのような面白さがあった。

ザ・マミィは来月に行われる「キングオブコント(KOC)」の決勝進出を決めている。舞台あいさつとは違った、コンビの味が楽しめるはずだ。映画「劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人」シリーズは芸人をキャスティングして、ニューヨーク、トム・ブラウン、かが屋、空気階段、パーパー、おいでやすこがなど賞レースで活躍した芸人を輩出している験のいい作品。KOC決勝でのザ・マミィに大注目だ。