東京・歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」(11月1~26日)で「連獅子」に出演する片岡仁左衛門(77)、孫の片岡千之助(21)が8日、都内で取材会を行った。

仁左衛門は本興行最高齢の77歳で親獅子を務める。これまでの最高齢は、86年に76歳でつとめた17代目中村勘三郎さん。仁左衛門は「おじさまと同じ年齢で踊りたいと思っていた。35年間抱いていた思いがかなう公演です」と話し、最高齢記録を1歳上回ることについて「そうか、昔の公演に『喜寿を祝して』と書いてあったから、同じ歳だと思ってた」と笑った。

35年前の17代目勘三郎さんの連獅子を振り返り、仁左衛門は「幕が開いて、幕が閉まるまでの雰囲気。劇場を包む雰囲気。すてきだなと思いました。こういう『連獅子』が踊れるかな、と思いました。自分への挑戦ですね」と話し「役者に歳はない」。

仁左衛門は、千之助たち若い役者たちへのアドバイスも語った。「人に請われる役者、どんな役でもあの人が出ていればこの芝居楽しくなるという役者になってほしい。自分、アンテナを磨き、皆さんの芸を吸収してほしい」とした。

千之助は、仁左衛門との「連獅子」は本興行では3回目。初演は11歳、2回目は14歳だった。「今回は21歳で仔獅子のあどけなさをいかに表現できるか。この歳でできるベストを尽くしたい」と、意気込みを語った。