車いすバスケを東京パラから除外も 基準見直し巡り

車いすバスケットボールが、今夏の東京パラリンピックから除外される可能性がでてきた。国際パラリンピック委員会(IPC)は31日、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)に対して選手のクラス分け見直しを要求。IPC基準に合わないためで、5月29日までに改善しない場合は東京大会から外す可能性があることを発表した。

パラ全22競技の中でも人気トップの花形競技が、ピンチに追い込まれた。IPCはIWBFのクラス分け基準を問題視し、1年半に渡って話し合いを続けてきたがまとまらず、23~25日のドイツ・ボンでの理事会で強硬手段を決めた。

問題なのは「軽度」となる4・0と4・5の選手。IPCはIWBFに対して5月29日までにIPC基準で再評価することを求めている。軽い障がいの選手はエースや人気選手も多く、再評価で資格を失えば競技人気にも影響する。それでも、IPCのパーソンズ会長は「基準を満たさないということは、競技の高潔性を脅かす」。人気競技に厳しい目が向けられる。

IWBFのメーレンス会長は「あらゆる手段を講じる」とパラリンピックに残るためにIPCの是正要求に応じる意向。5月29日までは東京大会の実施競技であることは変わらず、チケット販売など大会準備は進めていく。この日、IPCから連絡を受けた大会組織委員会は「改善へIWBFの早期の行動を期待する」と声明を出した。「パラの華」車いすバスケ実施は、東京大会の願いでもある。

○…国際パラリンピック委員会(IPC)は車いすバスケの24年パリ大会からの除外を発表した。開催まで時間がない東京大会は実施を前提にIWBFに求めたのは一部クラス分けの見直しだったが、その後はすべてのクラスの「完全一致」を要求。21年8月31日までにIPC基準に沿ったクラス分けになった場合のみ、すでに決定しているパリ大会の除外が解除される。

◆車いすバスケットボール パラリンピックは男子が1960年の第1回ローマ大会、女子は68年テルアビブ大会から実施されている花形競技。日本は男子が64年東京大会に出場し、76年トロント大会から11大会連続出場中。最高成績は88年ソウル大会と08年北京大会の7位。女子は初出場した84年ニューヨーク・エイルズベリー大会と00年シドニー大会で銅メダルを獲得したが、12年、16年大会と出場を逃した。コートや選手の人数などルールは健常者のバスケットボールとほぼ同じ。世界100カ国以上で実施され、欧州のリーグではプロ契約選手も多い。

◆車いすバスケットボールのクラス分け 障がいの程度で持ち点が定められている。最も重い選手を1・0、最も軽い選手を4・5とし、0・5点刻みで8クラスに分けられている。障がいの程度にかかわらず出場機会を均等に与えるため、コート上の5人の持ち点の合計は14点以下と規定されている。1・0は腹筋や背筋などの体幹機能が効かず、座ったままでも体のバラスをとることが難しい状態。4・5は片大腿(だいたい)切断や、軽度の下肢障がいで、両側への体幹の側屈運動が可能な状態。