現代言葉は難しい。アルファベットの略語が世の中にはあふれている。何を意味するのか分からない。それはW杯でも同じだ。
「TCSって何ですか?」。高校サッカー部で監督を務める方から連絡をいただいた。1次リーグも2巡目に入り、順位が気になる。そのFIFA公式の順位表に勝ち点や得点、失点、得失点差と並び「TCS」がある。
2018年のロシア大会から導入されている「フェアプレーポイント(FPP)」のことだろうな、と誰もが気づく。それでも「TCS」って何? となる。
それは「チーム・コンダクト・スコア(Team Conduct Score)」であり、略してTCS。イエローとレッドカードの枚数をポイント化したFFPと同じだ。
FIFAが98ページに及ぶ今回の大会方式を出している。その13章に「勝ち点で並んだ場合の決着方法」がある。まずは「当該チーム間」による勝ち点、得失点差、総得点。それでも同じならステップ2で「グループステージ全体」による得失点差、総得点、そしてTCSとなる。さらに付記するとステップ3はFIFAランキングとなる。
TCSは選手及びチーム関係者が対象。イエローカードはマイナス1点、イエロー2枚によるレッドはマイナス3点、一発レッドはマイナス4点、イエローとレッドでマイナス5点となる。「1試合につき、選手またはチーム関係者には上記の減点のうち1つのみが適用される」と注釈も付く。
日本がオランダと2-2で引きけているが、日本が2位でオランダが3位となるのはTCSの差(日本は0、オランダはマイナス3)だ。また、この日にカナダと戦ったカタールは一発レッド2枚を食らい、イエローも1枚。2戦合計マイナス11となっている。上には上がいるもので、南アフリカは初戦のメキシコ戦で一発レッド2枚が出た影響で2戦合計マイナス12点だ。このポイントはプラスのない減点方式というのも、トホホ感を与えてくれる。
サッカー中継でよく使われる「VAR(Video Assistant Referee、ビデオ・アシスタント・レフェリー)」や「DOGSO」(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity、ドグソ=決定的な得点機会の阻止)という略語は世間でも認知されている。
18年ロシア大会では日本がセネガルと勝ち点以下で並び、最後はFFPで16強入りしている。今回も1次リーグ最終戦のドラマはあるのか? その時初めて「TCS」の3文字が認知されそうだ。【佐藤隆志】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サカバカ日誌」)



