J2清水は2-2で山口と引き分けた。前半8分、FW鄭大世(32)が右足で先制点。絶好調のエースがクラブ史上5人目となる5戦連発弾を達成した。1度は同点とされるも、後半2分に再び鄭が勝ち越しゴール。ホームに集まったサポーターを興奮させた。だが、同33分には守備陣がPKで同点ゴールを献上。取れたはずの勝ち点3は、1になった。

 決めるべき男が決めても勝てなかった。前半8分、15試合ぶりに先発したFW北川航也(20)のパスをFW鄭が右足ダイレクトで合わせて先制点を奪った。「今はたまたま取れているだけ」と話す鄭だが、この1点でクラブ史上5人目となる5試合連続ゴールを達成。エースの勢いは本物だった。

 先制点後は終始ボールを支配され、防戦一方の展開。同26分にパスで完全に崩されて同点とされた。その後も展開は変わらず、1-1のまま前半は終了。悪い流れでハーフタイムを迎えたが、重苦しい雰囲気を一蹴したのも鄭だった。

 後半2分、敵陣でボールを奪うと、FW北川が突破しゴール前にスルーパスを供給。逆サイドから走り込んだ鄭が右足で冷静にゴール右隅へ流し込んだ。今季5度目のマルチ弾で勝ち越しに成功。少ないチャンスを確実に決める決定力の高さでチームに再び勢いを取り戻させた。

 ところが、流れを完全に引き戻せなかった。小林伸二監督(55)は「相手のパスの出どころに対応すること」と指示したが、ほとんど機能しなかった。長短のパスを使い分ける相手の攻撃に苦戦。本来は清水が理想に掲げる小気味いいパスワークを山口に展開され、同33分にPKから同点ゴールを許した。

 相手は昨季までJ3に所属し、今季がJ2初挑戦。試合は引き分けたが、内容では圧倒された。2度のリードを守りきれず、鄭は「何回同じことを繰り返しているのか。言葉が出ない」と言った。J1自動昇格圏内の2位に入るには、勝ち点3を取り続けるしかない中、痛いドロー(勝ち点1)となった。【神谷亮磨】