クラブW杯準優勝の鹿島MF柴崎岳(24)の海外移籍について、鹿島の幹部は19日、好条件のオファーがあれば、本人の意思を尊重して移籍を容認する意向を示した。すでにスペイン2部の複数クラブなどが柴崎の獲得に興味を示している。18日のRマドリード(スペイン)との決勝で2得点を挙げる活躍で、新たなクラブが獲得に名乗りを上げる可能性が出てきている。

 クラブW杯準優勝から一夜明け、茨城・鹿嶋市内の鹿島クラブハウスにはお祝いの花などが届けられた。Rマドリードを苦しめた立役者の柴崎ら11日間で4試合を戦い抜いた選手はオフ。そんな中、クラブ幹部が海外志向の強い背番号10の今後について言及した。「割り切ってあげないと、仕方がないかなと思っている。(柴崎)岳にとっても(決勝での活躍は)大きかったんじゃないかな」。新たな挑戦もやむを得ないと受け止めている様子だった。

 18日の決勝で柴崎の名は世界に広がった。0-1の前半44分、トラップが大きくなっても抜群のボディーバランスで立て直して左足でゴール。後半7分には4人をかわして豪快な左足弾。スペイン紙マルカは「鹿島の宝石」と見出しを立て「レアルを脅かした」「世界中の技術部長たちの目に留まったはずだ」と報じた。英紙サンは「ピンポイントパスも送れる日本のイニエスタ」と紹介。スペインのネットでは漫画「キャプテン翼」の主人公に例える書き込みが相次いだ。

 現時点で柴崎の獲得については、エルチェやRバリェカノなどスペイン2部のクラブが興味を示している。だが、クラブ幹部は今後、争奪戦になる可能性があるとみる。「他にも話は来ると思う。内田(シャルケ)や大迫(ケルン)のように活躍し、いずれは帰ってきてほしい」と話し、オファーの条件次第では移籍を容認するつもりだ。

 柴崎は昨季、周囲に「鹿島を優勝させてから出る」と話し、残留した。7季ぶりのJ1年間王者、さらにクラブW杯準優勝に導き、移籍への環境は整いつつある。