FWカズ(三浦知良=51)に12年ぶりのJ1が見えてきた。横浜FCが1-0でヴァンフォーレ甲府に勝ち、3位でリーグ戦を終えた。勝ち点で2位の大分トリニータと並んだが、得失点差で2位以内の自動昇格圏を逃し、カズは「昇格まであと1歩だった。それも勝負の厳しさ」と悔しさをにじませた。

カズは出番がなかったが、決勝点を決めた21歳のMF斎藤にピッチ外で“アシスト”していた。カズは、斎藤から「腰が痛い」と悩みを打ち明けられた際、自身も愛用している最新の高級マットレスをプレゼント。後半25分に、FKの流れから値千金の右足シュートを決めた斎藤は「カズさんのマットのおかげです。睡眠の質から改善されました」と感謝しきりだった。カズも押された展開で勝ち点3を手にしたチームに「内容が悪い中でも、守備を頑張りながら勝つ道を探すことができるようになった。今までの経験が出た」と手応えを口にした。

チームは12月2日のJ1参入プレーオフで大宮アルディージャと東京ヴェルディの勝者と対戦し、引き分け以上で、J1の16位と入れ替え戦へ進む。カズは今季、リーグ戦の出場は9試合59分。「3位を誇りに思って、J1に上がる気持ちを維持して、僕も試合に出られるよう、自分のできることをやっていけたら」と昇格を見据えた。【岩田千代巳】