矢板中央(栃木)がPK戦の末に大分(大分)を下し、2回戦進出を果たした。
前半4分にFW多田圭佑(2年)のゴールで幸先よく先制し、後半2分にも左合修士(3年)がPKから追加点を挙げたが、同14分と同22分に立て続けに失点。もつれ込んだPK戦では中体連出身の1年生GK藤井陽登が存在感をみせた。
序盤はタイミングが合わず大分に5本目までゴールを許したが、サドンデスに突入した6本目では身長180センチの体を目いっぱい投げ出して右に飛んだ。コースを読まれた相手DF佐藤芳紀(3年)のシュートは左ポストに当たり、枠外へ。続く矢板中央の6人目のキッカーも外して迎えた大分の7人目、DF竹谷悠(2年)のシュートは左に飛びながらしっかりとキャッチ。最後は矢板中央の7人目、MF服部晃多(3年)がネットを揺らし、試合を決めた。
相手GKも同じ1年生で名前の読みも「はると」と同じGK塩治晴士との対決を制する形となった藤井は「先輩たちを助けたいと思った。相手GKも1年生だし、キックやシュートへの反応の早さは相手の方が上だと思いました。これからもいい関係でいけたら」と話した。
中体連の青森・十和田中出身で、中学時代は無名の存在だった。3年生GKの負傷などもあり、秋頃から主力に定着。「自分が選手権の舞台に立っているのが信じられない気持ち。でも、出られるからにはやる」。チームのアドバイザーにはかつて帝京(東京)を率いて選手権優勝6度に導いた名将、古沼貞雄氏(80)が就いており、PK戦前にも「低く構えること」とアドバイスをもらい、好セーブにつなげた。
チームは3年連続での初戦突破を果たした。悲願の初優勝へ向け、藤井は「先輩の分も頑張らないといけないという思いもある。小学生の頃からPK戦では負けたことがない。ひとつひとつのプレーに集中していきたい」。頼もしい若き守護神が、矢板中央を上昇気流に乗せる。



