歴代最長身のGKがJリーグデビューを果たした。北海道コンサドーレ札幌に来季加入が内定している特別指定選手の身長2メートル、法大GK中野小次郎(21)が神戸戦で初出場初先発した。

ベンチ入りもしたことがなかったJ1史上初の2メートル台の選手は、いきなり抜てきされた試合でスター軍団の攻撃に立ち向かったが、悔しい4失点。0-4でチームは3試合連続の完封負けを喫した。

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札幌は武蔵が去った後、小次郎が参上した。中野小が初のJ公式戦を戦った。ゴール前で必死に食らい付いた。だが、MFイニエスタを中心に仕掛けられ、前半19分に先制ゴールを決められたFW古橋に2点を献上するなど、失点を重ねた。0-1の同34分のFWドウグラスのシュートに素早い反応を見せる好セーブも見せたが、ホロ苦デビューとなった。

来季のルーキーは、今月12日から札幌の練習に参加。チームは8月にFW鈴木武蔵がベルギー1部ベールスホットに移籍し、得点源の不在が響いている。8月2日ホーム神戸戦で2-3で敗れてから不調。1勝しかできておらず、なかなか結果が出ていなかった。その打開策として、若き超大型キーパーに白羽の矢が立った。

J1史上初めての2メートル台の選手だ。身長は200センチ。試合前の入場時、最後尾でも頭1つ分飛び出して顔をのぞかせる。昨年10月に札幌の練習に参加した際、クラブはその恵まれたフィジカルや左足のキックに将来性を感じて即オファー。中野小は「ここで成長したい」と札幌入りを決め、大学3年時での2年後の加入が内定した。

昨季からJ1ですでに試合出場を重ねている鹿島FW上田は大学同期。刺激を受けながら、追い掛ける。その1歩目を踏み出した。名前の由来は歴史上の人物でも、キャプテン翼のキャラクターでもなく、「父の名前が次郎で、その子供だから」という。大きな可能性を秘める21歳は、この敗戦をさらなる成長につなげる。【保坂果那】

◆Jリーグの長身選手 札幌の200センチGK中野小次郎がJ1リーグ戦に初出場。身長200センチ以上の選手の出場はJ1史上初。これまでの記録は今季初出場した東京GK波多野豪で198センチ。J2では11~12年に千葉でプレーした204センチのFWオーロイがJ2通算35試合6得点を記録。J3では16~17年の鳥取で205センチのFW畑中槙人が12試合に出場している。

▽10試合ぶり2度目の先発で初めてフル出場したFW小柏 早く初ゴールを取りたいが、自分が今日チャンスを生かして点を取れていれば0-4という大差にはならなかった。最後の質の部分はもっとこだわって磨いていかないといけない。

▽後半途中から投入された主将のMF宮沢 自分たちのサッカーを継続していくことが大事。全員が同じ方向を見て、1勝を目指して一丸となっていく。