大学生が金星だ! 常葉大(東海学生1部)がJ3藤枝に2-1で逆転勝ち。1-1の後半38分、FW金賢祐(キム・ヒョンウ、2年)が頭で決勝点を挙げた。プロ相手にジャイアントキリングを演じ、2大会連続の本大会出場に王手をかけた。ホンダFC(JFL)は、1-1で突入したPK戦の末に8-7でJ3沼津に辛勝。天皇杯出場を懸けた決勝は、来月9日に藤枝総合運動公園で行われる。

プロを沈める一撃が、ネットに突き刺さった。1-1で迎えた後半38分。左クロスに反応した常葉大FW金が、逆サイドから飛び込んだ。「当てるだけだった。確実にミートすることだけを考えた」と丁寧に頭で合わせ、ゴールにたたき込んだ。この貴重な勝ち越し点で下克上を達成。韓国ソウル出身のストライカーは「最高でした」と、会心のガッツポーズを決めた。

試合前の準備が奏功した。移動バスの中で、韓国代表FWファン・ウィジョ(28=フランス1部・ボルドー)の動画をチェック。J1G大阪を経て欧州へ飛躍した点取り屋の動きを参考に、「クロスの入り方」を頭に入れた。この日の決勝点を振り返り、「相手の注意がボールに集中していた。うまく背後を取れた」としてやったりの表情。イメージ通りの動きでDFのマークを振りきった。

来月9日の決勝では、昨年の天皇杯2回戦で1-2で敗れたホンダFCに挑む。卒業後のプロ入りを目指す金は「自分をアピールするためにも、本大会に絶対に出たい。今日の気持ちをもう1度味わいたい」と、2試合連続の金星に照準を合わせた。2大会連続の本大会まであと1勝。大一番でも、自らのゴールで番狂わせを起こす。【前田和哉】