北海道コンサドーレ札幌は東京と0-0のドローで2連勝はならなかった。後半途中出場のFW中島大嘉(19)は、同33分に決定機を迎えるも相手GKの好セーブに阻まれ、2戦連発を逃した。室蘭市出身の東京MF松木玖生(18)との期待の10代対決は、ともに見せ場を作ったが無得点だった。

【詳細スコア】札幌-東京

中島は敗戦後のような悔しさをにじませた。今季初勝利を挙げた前節名古屋戦(2○0)に続くゴールを奪えなかった。惜しい場面はあった。後半33分、右CKから頭で合わせた。だが、相手GKの好反応で阻まれた。この日の札幌にとって最大の絶好機だった。「惜しいじゃ意味ない。自分的には入らなかったらシュートを打っていないのと一緒」と声のトーンは落ちていた。

後半18分に投入された。直後から全開でボールを追った。今季はまだ公式戦先発がない。アピールが必要な立場と理解している。「自分がああいうのをしなかったら終わりやと思っている。がむしゃらさを前面に出してやっていくのを求められている」。だから結果を出したかった。

相手には地元凱旋(がいせん)試合でフル出場した高卒ルーキー松木がいた。開幕から出場停止をのぞき全試合先発で起用されている。対戦し「今日もずっとスタメンで出ている。すごいと思っている」と認めた。ライバル意識はない。だが誰にも負けたくない。

相手指揮官の印象にも残る、気持ちのこもったプレーを見せた。「中島選手も強いメンタリティーを持っている」と試合後の会見で名前を挙げられ、松木に似た武器を評価された。国見高出身の2年目は札幌で学び、成長中だ。「自分も自分の未来がすごく楽しみ」と自信を失うことはない。

狙っていた札幌ドームでの初ゴールはお預けとなった。だが必ずその瞬間は訪れるはずだ。「今日は点を取れていない。得点というところは絶対にこだわる。それ以外の、数字以外の部分でもっとチームに貢献できるように」。試合ごとに進化を感じさせる大器が、札幌の希望となっている。【保坂果那】

○…今季初連勝&本拠地初勝利はお預けとなった。開幕から1勝7分け1敗。ホームで4戦連続ドローとなった。ペトロビッチ監督(64)は「多くの方はまた引き分けかと思うでしょう」と苦笑い。だが、前節名古屋戦から主力のDF福森、MF金子をケガで欠くなかでも守備ではうまく機能しており「引き分けだが札幌が勝利に近かったのでは」と振り返っていた。

○…MF宮沢が3バック中央として無失点に封じた。チームとして前からの守備を徹底し「集中してできた」と振り返った。試合後には室蘭大沢FCの後輩、東京MF松木からユニホーム交換をお願いされて応じ、健闘をたたえ合った。「うれしいです。これから日本を背負って立つ選手になると思う」と、将来期待の後輩の存在が誇らしそうだった。

○…中2日での3戦で連続フル出場を果たしJ1通算150試合出場を達成したMF荒野「体力は大丈夫。(チャンスで)決めて勝ちたかった」。

○…後半34分、今季加入後リーグ戦初出場したDF西「自分たちでボールを保持しながら主導権を握っていけたら」。