女子テニスの大坂なおみが妊娠を発表した。女子プロサッカー・WEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属の元日本代表DF岩清水梓(36)は、妊娠・出産を経て競技に復帰した“先輩”だ。その岩清水が自身の経験を語った。【聞き手・千葉修宏】

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大坂は「自分の子供が私の試合を見て『あれが私のママ』と誰かに言うこと」が楽しみだとメッセージにつづった。岩清水も同様に昨年3月5日の長野戦で長男・聖悟君と一緒に入場するという夢をかなえた。ただ「自分にとっては歴史的な1ページだったんですけど、産後初めてのスタメンというプレッシャーの方が大きくて」。プロ選手としての責任感から、感動の一瞬に際しても意外と冷静だったと振り返る。

岩清水は、母親とサッカー選手の両立には周囲の協力が不可欠だと強調する。もともと日テレ東京Vの胸スポンサーが総合子育てサービス事業の「都市型保育園ポポラー」で「出産後は安心してくれ」とサポートを約束してくれていたという。さらに「夫はミルクとか、おむつ替えとかも積極的に参加してくれて。夫が仕事の場合はうちの母だったり夫の母だったりが来てくれて、息子を見てくれたり。家族のサポートは、復帰するにあたって必要なサポートだなと思います」と家族にも感謝する。

大坂は1年後の全豪オープンへの出場を明言した。妊娠が分かってチームから離れ、再合流するまで約1年だった岩清水は「(大坂さんは)妊娠を発表したっていうことは、安定期に入ったということですかね。自分は(再合流までのトレーニングで)チームの練習時間に合わせなければならなかったりしたけど、個人スポーツの場合、時間の使い方の融通が利きやすいと思う。もうちょっと早く(練習に)復帰できる可能性もあるんじゃないですかね」と予想する。

そんな岩清水が、復帰までに1番つらかったというのが骨盤底筋の筋力低下。それにより体幹にも緩みが出たため、復帰へ向けたトレーニングの第一歩は骨盤底筋や体幹を鍛える地味な運動や、まったく動かしていなかった肩甲骨周りなど上半身のストレッチが中心だったという。「最初のリハビリとかすごい地味なことやってたんですけど、それが一番必要なリハビリで。もっと派手な筋力トレーニングとかしたいとも思ってましたけど、一番の土台を作らないとやはり上(上体)には(筋力が)乗っていかないなって思いました」という。

岩清水は最後に「お互い『ママもお仕事だから、聖悟もお仕事ね』みたいな感じで。仕事しに行ってるぐらいの感覚になって(保育園に行って)くれているらしいから。その辺は理解してくれてありがたいです」と、聖悟君への感謝の言葉も口にしていた。